歯医者さん事典vol.142〜中断して欲しくないケース6〜奥歯が無くて奥歯で噛めない場合〜
 
 
歯医者さん事典、『中断して欲しくないシリーズ』が順調に続いてます。
 
 
『奥歯が抜けて奥歯で噛めないのに、ついつい放置している』ことについてお話致します。
この奥歯が抜けて放置状態の方って意外と多いのです。
 
ドキッとした方、きっといらっしゃると思います。
 
奥歯が抜けて放置している患者さんとお話してみると、その理由が以外とみなさん共通しています。
 
 
①前歯が無いのは恥ずかしいけど、奥歯がなくても見た目で困ることは無いから、ついつい放置。
②右の奥歯が無くても、左の奥歯があれば、食事はすることができちゃうから、ついつい放置。
③入れ歯が嫌だから(金属のバネや異物感など)、多少不自由でもいいかなと思って放置。
④そもそも歯医者さんが怖くて、放置してしまった。
 
などなど・・・結局は日常生活に決定的に支障が生じていないことが一番の理由のようです。
 
もちろん、健常者から見ると十分支障は生じているのですが、その状況よりも歯医者さんで治療
することの方が苦痛だったり、入れ歯になることが嫌なのだと思います。
 
 
その様な理由をお持ちの患者さんは決まって、こう言います。
 
「年取ったら絶対に総入れ歯になるので、それまではこのままで良いんです。」
 
えええっ??
 
小さい入れ歯もダメなのに、いきなり大きな入れ歯を使うなんて、普通に考えても大変そうです。
現に、小さな入れ歯から使い始めて、少しずつ大きな入れ歯になった人でさえ苦労しているのですから。
 
そして何より、奥歯が無い状態で放置してしまうと、噛み合わせが低くなってしまいます。
 
 
元々は上下の歯が入るだけのスペースがあったはずのところが、奥歯が無い状態を放置してしまうことで、
だんだんと低くなって、上下の歯茎で噛むようになってしまいます。
 
少しずつ少しずつ低くなって行くので、前歯の噛み合わせも低い状態に合わせるように動いていきます。
 
 
そうなってしまうと、入れ歯を作ろうと思っても、上下のスペースがなくて入れ歯を作ることができない!
ということが起きてしまいます。
 
 
コワいですね!!!
あの時、きちんと歯医者さんに行って治療していたら・・・と後悔してもしきれません。
 
 
多くの患者さんは、奥歯が無いのを放っておいたらどうなってしまうのか、ご存知ないのですよね。
 
 
そのため、抜けていても外から見えるわけでも無いし・・・などと、ついついそのままにしてしまう
のだと思います。
そしてやっと勇気を出して歯医者さんに行ったら、困ったことになっていた・・・。
 
 
このパターン、とっても多いです。
治療にたずさわる者としても、残念でなりません。
 
 
『奥歯が無くて、奥歯で噛み合わせることができない状態で放っておいている』という方!
今からでも遅くありません。
 
厳しい状況でもスタートは早ければ早いほど良いのです。
 
 
道のりは大変かもしれませんが、勇気を出して歯医者さんに行ってみて欲しいなと思います。