今日も「親不知シリーズ」が続きます。
疲れたり、風邪を引いたり、体調が優れない時に親不知のところが痛くなる方、いらっしゃることと思います。
そのような時は大抵、「親不知が腫れてしまたのです!」とおっしゃって来院する方が少なくありません。
そこで、今日は「なぜ、親不知が腫れるのか」についてお話します。
親不知は前歯から数えて8番目にある歯のことを親不知と呼んでいるので、厳密には「親不知が腫れる」ということはありません。
正しくは、親不知の周りの歯肉が腫れて痛くなるのです。
歯医者さん事典vol.24でご説明させていただいたように、親不知は真っ直ぐ生えてくることは稀であり、ほとんどの方は下のイラストにあるB,C,D,Eのように、一部分が歯肉に隠れています。
当然、一番奥にありますので歯ブラシは届きにくいですし、親不知と歯肉の境目のところにはプラーク(細菌)がたくさん溜まってしまっています。
イラストをご覧下さい
プラークが溜まると、下のイラストのように、歯肉に炎症が起きて腫れてきます。
酷くなると、歯と歯肉の隙間から膿が出てくることもあります。
ほんの少しの痛みだと放置してしまう方多いのですが、この状態になるとかなり痛みが激しくなってくるので、歯医者さんに駆け込んで来ます。
歯肉が腫れると、上の歯が腫れた歯肉を噛んでしまってさらに痛くなることもあります。
イラストにしてみると・・・
歯肉が腫れていない時は上の歯は当たっていなかったのに、歯肉が腫れてしまうと噛んだ時に上の歯が当たるようになってしまうのがおわかりいただけますね。
腫れてるだけでも痛いのに、さらにその腫れた歯肉を噛んでしまうのですから、かなり辛い状況です
「うんうん、あるある!! これ、私のことだわ!」
と心当たりのある方・・・いらっしゃるのではないでしょうか?
親不知が虫歯になって痛くなる場合もありますが、親不知が痛くなるのは、その周りの歯肉が腫れてしまった場合がほとんどです
このような状態を繰り返さないためには、やっぱり早めに抜歯することをお勧めします。
様々な事情がありすぐに抜歯できない場合には、せめて再発しないように、上のイラストで説明したプラークの溜まりやすい部分の清掃を意識して行っていきましょうね