「母に似て、私も歯が弱くて虫歯になりやすいんです。」
虫歯が多い患者さんから良く聞く言葉です。
確かに、背が高い人や低い人、がっしりした人や細い人がいるように、歯の大きさや質も遺伝します。
しかし、それがそのまま虫歯になりやすいことに直結する確率は低いと思います。
ちなみに、わたしは顎の骨格は母と父のミックスで、歯の大きさや質は父に似ています
母はかつて虫歯がいっぱいありましたが、私は永久歯になってからはほとんど虫歯はありません。
”永久歯になってから”なので、乳歯のころはいっぱいありました。
ココが今日のお話のキーポイントです。
乳歯のころは・・・歯磨きは自分ではできなくて母がやってくれていました。(覚えていませんが、きっとそのはずです)
父はその道のプロですが、母は一般の人でしたのでやはり完璧というわけにはいかず・・・私の乳歯は虫歯になってしまいました
私は子どもの頃、虫歯の治療が大嫌いで泣きわめいて大暴れしていたほどなんです。
治療するのが父であったとしても、やっぱり怖いものは怖かったんです
ホント、かなり迷惑な非協力児でした
何人ものスタッフの人達に手足を抑えられて治療されたのを今でも鮮明に覚えています。
治療が終わった時には汗だくになっていたものです。
本当に虫歯の治療が嫌で嫌で、もう二度とこんな思いはしたくない!と思った私は、大人の歯は絶対に虫歯にならないようにしよう!と決心したのです。
永久歯が生えて来たら、家で磨き残しを染め出して歯磨きをしていました。
あと、甘いものもあまり食べなかったと思います。(今の方がむしろ食べてます)
その結果、永久歯になってからは痛みを感じるような虫歯になったことはほとんどありません。
私が何を言いたいのか・・・もうお分かりですね。
虫歯のなりやすさは、遺伝しないんです。
お母さんのお口の中にいる虫歯菌がお子さんへ感染したとしても、その後のケアで予防することは充分可能です(私自身で実証済み)
私が身をもって実感したことは、虫歯になる主な原因は、毎日の食生活やお口のケアによるものが大きいということです。
ただし・・・毎日の食生活やお口のケアなどの生活習慣はやっぱりご両親の影響をうけますよね。
甘い物を良く食べたり、間食が多かったりするご家庭だと、やっぱり虫歯になりやすくなってしまいます。
結果として・・・遺伝ではないのですが、虫歯のなりやすさがご両親に似てしまうのかなと思います。
「私は両親に似て、歯が弱いから・・・」と諦めている方。
今からでもまだ間に合います。
毎日の食生活やお口のケアを見直していけば、今あるご自分の歯を守って行くことができますので、勇気を出して一歩踏み出してみてくださいね。