歯医者さん事典vol.49〜痛くなかった歯を治療すると腫れて痛みが出るのはなぜ?〜
「痛くなかった歯を治療したら、すごい痛みが出て歯肉が腫れた!」
そんな経験をしたことはありませんか?
患者さんにしてみると、痛くなかったのにどうして?と思ってしまいますよね。
今日の歯医者さん事典ではこのことについて詳しくお話しようと思います。
どういう時にこんなことが起きてしまうかと言いますと・・・
歯の根の先に膿の袋が出来ている場合に、こういうことが起こります。
イラストにしてみると・・・
あれ??どこかで見覚えのあるイラストですね。
そうです!歯医者さん事典vol.13の中で使用したイラストです。
歯の根の先に膿の袋ができているのは、痛みが出て気づくこともありますが、痛みが無い場合でも歯医者さんでレントゲンを撮って見つかることもあります。
レントゲンを撮って見つかった時は、痛みは無いのですが、患者さんの話をよくよく聞いてみますと、疲れていたり体調が悪い時に違和感や痛みを感じていたとおっしゃることが多いです。
この状態を放置していても良くなるものではないので、痛みは無くても根の治療を始めるのですが、根の治療を始めると、突如として痛みや腫れが出てきてしまうことがあります。
これは、膿の袋のなかでぬくぬくしていた細菌が、突然外から攻撃を受けることで活動を開始するからなのです。それが痛みとなって現れます。
根の治療を始めた日に根の先から膿がいっぱい出てくることもありますが、治療を始めた時は少し汚れている程度で膿の量はそれほどでもないことがほとんどです。
ただ、治療中から痛みがでてきて、夜になるとさらに痛みが悪化します。
この状態の時に根の中を確認してみると、ドクドクと大量に膿が出て来ます。
”痛くなかった歯を治療したら、すごい痛みが出て膿が出た!”というのは、まさにこの状態なのです。
ちょうど以前、歯医者さん事典vol.13で説明したような状態です。
(歯医者さん事典vol.13~神経を抜いた歯が痛いとき~歯の根の先に膿の袋が出来たとき)
「治療することで痛みがでるなんて・・・なんだか気が進まないわ」と思うかもしれませんね。
しかし、これを放っておいても治ることはありません。
治るどころか、じわじわと膿の袋は大きくなって周囲の骨をさらに破壊していってしまいます。
イラストをご覧ください。
ここまでお話させていただいた通り、もし歯医者さんに行ってレントゲンを見て歯の根の先の病気が発見されたら、気が進まないかもしれませんが、できれば治療を受けるようにしてみてくださいね。
もちろん、治療するかどうかの判断はレントゲンだけでなく、他の症状も総合して判断します。
先生のお話を良く聞いて決めて行ってくださいね。