歯医者さん事典vol.110
〜歯をぶつけて歯の根に炎症が起きたのを放置しちゃったらどうなるの?〜
前回の歯医者さん事典でお話した私の学生時代のスキーで顔面衝突のエピソード・・・
私と似たような経験をしたことがある方もきっといらっしゃるのではないでしょうか?
そして、もしかしたら・・・・
ぶつけた当初は痛かったけれど、知らないうちに痛みが無くなってしまったから放置してしまったという方もいるのではないかなって思います。
今日はその時の痛みや症状の変化、そしてそれをもし放置してしまっていたらどうなってしまうか?についてお話しますね。
ぶつけた当日は唇も歯も痛くて、けっこう辛かったことを今でも覚えています。
とにかく、上の前歯全体がジンジンする感じでした。
唇は腫れるし、女性としては痛みよりも唇が腫れていることの方がショックが大きかったです(笑)
次の日あたりから歯に触ると痛い感じがして、さらにお味噌汁を飲んだ時に刺すような痛みが出て来ました。
いつもジンジンと痛いわけではないのですが、時々ツーンと刺すような痛みがありました。
激痛ではないので、痛み止めは飲まなかったと記憶しています。
そのまま合宿に参加して1週間後には普通に試合にも出れるくらい、痛みはすっかり無くなっていました。
試合が終わったらすぐに父に診てもらい、外傷性の歯髄炎になっているということで神経の処置をしました。
幸いにも父が歯医者でしたし、歯科学生だったので、すぐに診てもらいましたが
その様な環境でなかったら、もしかしたら痛みも無くなっていたのでそのまま放置していたかもしれません。
もし、そのまま放置していたらどうなっていたか?
歯髄が死んでしまうので、痛みは無くなります。
しかし、「歯の中に残された死んでしまった歯髄は腐ってしまいます。」
そして、腐るということは細菌が繁殖していくということなので、知らないうちに歯の根の先に膿の袋ができてきます。
*歯の根の先の膿の袋ができた場合の記事はこちらです
・歯医者さん事典vol.13~神経を抜いた歯が痛いとき~歯の根の先に膿の袋が出来たとき
・歯医者さん事典vol.49~痛くなかった歯を治療すると腫れて痛みが出るのはなぜ?~
・歯医者さん事典vol.59~歯肉にプチッとできたおできって何?~
・歯医者さん事典vol.81~抜歯しなければならないのはどんな時?~歯の根の先の炎症が大きく広がった場合~
疲れた時に歯の根に違和感を感じたり、歯の根元のあたりの歯肉を押すと痛みを感じたりします。
そしてある日突然、痛みが出て腫れることもあります。
見た目ですごく分かりやすいのは、歯の色が茶色く変色してきたりします。
神経を取った歯は多かれ少なかれ、歯の色のトーンが暗くなるのですが、知らないうちに神経が死んでしまった場合は特にそのトーンが暗く茶色くなってしまいます。
それはかなり悲しくショックですよね。
何よりも、歯の根の先に膿の袋が出来てしまうというのが怖いです。
虫歯じゃないのに、虫歯が大きくなって神経を取った歯と同じようなことが起きてしまうのです。
もし、私と同じような経験をしたことがあって、ぶつけた歯を放置している方は、ぜひお早めに歯医者さんに行ってくださいね。
そして、これから先転んだりして歯をぶつけるようなことが起きたら、私がお話していたことを思い出していただけたら嬉しいです。
何も無ければラッキーです。
でも、やはり念のためチェックしてもらった方が安心だと思いますので、痛みが無かったとしても歯医者さんでチェックしてもらってくださいね。