歯医者さん事典vol.136〜硬い歯ブラシ、キケンです!〜
 
 
定期的にメインテナンスにいらしてくださる患者さん。
 
とても意識の高い方で毎日のケアも頑張っています。
 
いつものように全体のチェックをしていたらところ
奥歯の歯と歯肉の境目にプラークがついて、歯肉から出血してきてしまいました!
 
しかもその出血した感じが
なんだか悪そうな出血で色が赤黒いのです。
 
いつもなら、ちょっと細かいところに少しだけ磨き残しがある程度で、例えば
フロスを入れて出血したとしてもサラっとした出血がわずかに滲んでくる感じでした。
 
でも、今回はいつもと状況が違います。
 
ドロッとした血液がいっぱい出て来て何だか嫌な感じです。
 
 
よくよく見ると、歯の付け根近くの歯肉に擦り傷のようなものもあります。
 
「珍しく歯肉から出血していますし、歯肉に擦り傷みたいなものもありますが、
何か変わったことはありませんか?」
 
このように患者さんへお聞きしたところ
 
「硬い歯ブラシを使って、ゴシゴシやっていました。それで歯肉が傷ついたりして
歯ブラシを当てることができなかったこともありました」とのこと。
 
硬い歯ブラシ・・・・
なんだか汚れが良く落ちてくれるような気がするのですが、実はとってもキケンなんです。
 
毛先が硬すぎるので、斜めにしても残念ながら歯と歯肉の境目に毛先が入って行きません
 
これは私自身も経験したことがありますが、普段、歯医者さんで購入した歯ブラシを
使用している方がこの硬い歯ブラシをいつもの調子で使ったら・・・間違いなく歯肉
に擦り傷が出来てしまいます。
 
ちょうど、桃の皮をゴシゴシするような感じ・・・・。
 
この患者さんの歯肉に擦り傷が出来ていたのは、このためだったのです。
 
歯ブラシが変わっただけなのに、歯肉に擦り傷ができてしまって、さらに歯肉にまで
炎症が起きてしまうなんて・・・怖いですね!
 
この変化にいち早く気づくことが出来たのは、定期的にチェックをしていたからという
のがとても大きいです。
 
もしも定期検診に来ていなかったら、気づかずに硬い歯ブラシを使い続けていたかもしれません。
歯肉の炎症にも気づかずに、さらに歯肉の炎症が悪化してしまっていたかもしれません。
 
普段の状態を私たちが知っているからこそ、「あれ?いつもと違うけど、どうしたの
だろう?」という疑問も出て来ます。
 
そう言う意味でも、痛くなくても定期的に歯医者さんでチェックしておくことって、
本当に大切なんです。
 
そしてそして、硬い歯ブラシ・・・・すごくキケンです!!
 
ついつい汚れが落ちるかも!と思って使いたくなるみたいなのですが、硬い毛先は細かい
ところに届かないので、磨き残しが出てしまいますし、歯肉を傷つけてしまうんです。
 
ドキッとした方、ぜひぜひ気をつけていただいたいなと思います。
 
そして、どんな歯ブラシが良いか分からないという方は、一度お近くの歯医者さんに
行って相談してみてくださいね。