歯医者さん事典105〜銀歯を入れた後にしみる感じがするのはなぜ?〜
 
 
歯医者さんで虫歯の治療をして、仮の蓋の時は大丈夫だったのに、銀歯を入れた後に冷たい物がしみるようになった。でも、しばらくしたら気にならなくなった。
 
そんな経験はありませんか??
 
今日はその理由についてお話しますね。
 
生きている歯の虫歯の治療をする時は、当然ですが麻酔をします。
麻酔をし虫歯をとって、大きく穴があいてしまったところを白い材料で補強し、
形を整えて、型を取ります。
 
型を取り終わったら、仮の蓋をして銀歯が出来上がるまでの間を過ごしていただきます。
 
 
仮の蓋は固まったら味はしなくなりますが、すごく美味しくない味がします。
 
 
しかもキャラメルやガムなどの粘着性があるものを食べてしまうと取れてしまったりする、かなり面倒くさいものなのです。
 
もしも、この仮の蓋をしていなかったとしたら。
削った歯の象牙質がむき出しになってしまっているので、飲食をする時にしみたりして辛い思いをしてしまいます。
 
 
そのため、患者さんにはご不自由をかけることになるのですが、仮の蓋をしています。
プラスティックのような材料で出来ていますので、あまり熱を通しません。
 
反対に、銀歯は金属で出来ているので、仮の蓋に比べると熱を伝えやすいです。
 
金属で出来たヤカンのように、お口の中に熱い物が入って来たら一緒に熱くなるし、冷たい物が入って来たら冷たくなってしまうのです。
 
知覚のある象牙質がむき出しになったところに、この金属が直接当たるわけですから、当然銀歯をセットした直後は過敏になってしまいます。
 
全くなにも感じない方もいらっしゃいますが、虫歯が大きければ大きいほど、神経に近かったり、金属が接触する面積も大きいのでしみてしまいます。
 
でも、ほとんどは1~2週間ほどすると、気にならなくなります。
 
これは、歯医者さん事典vol.11でお話したように、象牙質が壁を作ったためと考えられます。
 
 
人間の歯って上手く出来ていますよね。
 
虫歯の治療をして銀歯を入れた後にしみる・・・
その背景にはこういう理由があったのです。
 
 
もちろん、ギリギリで神経を残している場合には、熱に対する反応が治まらなかったり、痛みが治まらなくなったりすることもあります。
 
 
場合によっては、神経の処置になる可能性もありますが、放置していても痛みが治まることはありませんので・・・
 
そのような時は我慢せずに、早めに歯医者さんに行くようにしてくださいね。