歯医者さん事典vol.174〜歯間ブラシを使って行う歯周ポケットの清掃の仕方〜
 
 
今日の歯医者さん事典では歯間ブラシを使って行う歯周ポケットの清掃の仕方についてお話しします。
 
 
歯肉の健康のためには、歯ブラシやデンタルフロスを使って行う歯と歯肉の境目のケアがとても大切だということを今まで何度もお話してきました。
 
ただ・・・
今までお話してきた方法は、初期の歯周病には有効なのですが、歯と歯肉の境目の炎症が広がって、歯周ポケットが深くなってしまった場合にはなかなか難しいのです。
 
 
歯周ポケットが深くなったところには、歯ブラシの毛先は届きませんし、デンタルフロスが届く範囲にも限界があります。
 
 
それでも、歯と歯肉の境目の深いところに炎症があって、歯肉の出血が治まらない・・・
その様な場合には、ちょっとイレギュラーな使い方なのですが、歯間ブラシを縦に使うようにします。
 
 
この方法は、私がまだ大学卒業してから間もない頃、師と仰ぐ先生が患者さんに指導しているのを見て学んだことです。
 
 
前回の歯医者さん事典vol.173でお話ししたように、本来ならば上の写真のように使用するはずの歯間ブラシを歯周ポケットの中に縦に入れて使用しているのを見て、すごく驚いたのを覚えています。
 
 
その使い方をイラストで描くと下の様なイメージになります。
 
20180616
 
 
患者さんご自身がやるのもかなり難しいのですが、1週間続けて行うと歯肉の炎症がかなり治まって来ます。
歯間ブラシについてくる血液の量もドロッとしたものから、ブラシに少しだけ血がにじむ程度になります。
 
 
歯肉の炎症も治まって、腫れていた歯肉も引き締まって、歯周ポケットも浅くなり、歯間ブラシが入りにくくなって来ます。
 
 
患者さんご自身の力で治ってくるのです!!
 
 
実際に当院の患者さんでも、最初に来院した時には歯周病が進んでグラグラと動いていた歯が、毎日のケアをしっかりと行った結果、歯肉が引き締まって動揺が治まった方もいらっしゃいます。
 
 
歯を支えていた骨はかなり下がっていて、普通ならグラグラになっているような状態なのに、ビクともしません。
 
 
まさに患者さんご自身の努力の賜物です!!
 
 
人間の治癒能力ってすごいなあと改めて実感しますし、この歯間ブラシの使い方は、正直かなり難しいのですが、やってみる価値は大いにあると思います。
 
 
ただ、やみくもにグサグサと刺すわけではありませんので、そこは注意してくださいね。
時々、傷を作ってくる方がいらっしゃるので・・・ご興味の在る方は、ぜひご相談ください。
 
 
お待ちしております。