〜象牙質について〜
 
今日は歯の構造の「象牙質」についてご説明します。
下記のイラスト内、Bの黄色い部分が象牙質になります。
丁度、前回ご説明したエナメル質のすぐ内側にあります。
 
20150321
 
象牙質の内側にある赤い線で描かれたCの部分が「歯髄」
と呼ばれ、ここには神経や血管が入っています。
 
イラストで見ておわかりいただけるかと思いますが、象牙質
というは、Cで示された歯髄の外側にありますね。
 
エナメル質はタマゴの殻の様な役目をしているので、外部
からの刺激を遮断してくれますが、象牙質は外部からの
刺激の通り道となっているのです。
 
そのため、エナメル質が虫歯などで破壊されてしまうと、外
部からの刺激が象牙質を通り、歯髄にまで伝わります。
しみたり痛みを感じるのは、歯髄に神経があるからです。
 
エナメル質に比べ、象牙質はかなり柔らかい組織ですから
虫歯菌に侵されてしまうと、エナメル質よりもその組織が
破壊されるスピードは当然ながら速くなるのです。
 
破壊されるスピードに伴って、痛みも感じてきます。
 
「なんだか歯の痛みが出てきた」と自覚するのは、虫歯菌が
象牙質まで届いてきてしまってる頃です。
 
エナメル質が皮膚だとしたら、皮膚が擦り剥けて内部から
出血してしまっている状態です。
エナメル質が壊れて象牙質が露出してしまったわけですから
想像するだけでもゾッとしますね。
 
殻で守ってくれるているはずのエナメル質が無くなって、象牙
質が裸同然で露出しているとなると、なんだかとても痛そうで
虫歯菌にも感染しやすそうだし、どんどん弱っていくような気
がする・・・とイメージできますね。
 
皮膚が擦り剥けたとしても、皮膚はまた再生します。
しかし、歯は一度それぞれの組織が壊されていくと再生は
ありえません。どこかのタイミングでその壊されていく進行を
止めなければ、さらにさらに内部へ突き進みます。
 
できるだけ、破壊されていく範囲が広くならないうちに治療
をすることがとても大切になってきます。
 
歯医者さんでの定期的なチェックを呼びかけているのには、
虫歯が酷くならない様に健康な歯で生涯過ごしていただき
たいという願いからでもあるのです。
 
厳密には一度壊れかけても元に戻る段階も無いわけでは
ありませんが、その点については虫歯についてのお話の
時に説明させていただきます。
 
エナメル質も象牙質も歯髄も、すべて関連しているので
ひとつひとつを切離して説明をするのは、結構難しい事柄
です。
 
たとえ話を交えた方が、よりイメージしていただけかと思い、
少々ゾッとする説明もありましたがご了承下さいね。
 
今回に限らず、いままでの歯医者さん事典で述べてきた
内容についてご不明な点がございましたら、ご遠慮なく
お問い合わせ下さい。