歯医者さん事典vol.65〜神経がないのに、歯の根の治療が痛いのはなぜ?〜
「神経が無い歯は痛くないはずなのに、根の治療をした時に痛みがあった・・・どうして?」
そんな経験をされたことはありませんか?
確かに、神経を抜いた歯は感覚が無くなっているので、穴があいたり、削ったりしても痛みを感じることはありません。
でも、「その歯の周囲の骨や歯肉や歯根膜には感覚があります」ので、歯の根に器具を入れて根の先にある膿の袋を触ったり、器具が歯根膜などの歯の周囲の組織に触れたりすると、当然チクっとした痛みを感じます。
イラストにしてみます
この根の先に溜まった膿をとりのぞいて綺麗にする必要があるのですが、歯の根の先の炎症が大きいほど汚れをとる時に痛みは大きいのです。
もちろん、あまりにも痛みが大きい場合には麻酔をしたり、一旦お薬を処方して、ある程度炎症が落ち着いてから根の治療を行うこともありますが・・・
根の先をしっかりと綺麗にする治療は必ず通らなければならない道なので、多少なりともチクっとした痛みを患者さんには我慢してもらうことになります。
本当に申し訳ないなと思うのですが仕方ありません。
ここで変に手加減をしてしまうと、根の先の汚れを綺麗にすることができないので、結局患者さんのためになりません。
そういうわけで、心を鬼にして、でも気遣いをしながら歯の根の治療を行っています。
「歯医者さんは痛い」というイメージは、もしかしたらこういうところから来ているのかもしれませんね。(神経がない歯をいじっても痛いとか・・いろいろとありますね)
でも、こうして根の先を綺麗にして行くと、人間の身体って見事に回復していきます。
先日も・・歯の根の先の炎症が原因で歯肉にプチッと出来た患者さんがいたのですが、歯の根の治療を1回行っただけで、歯肉にできていたプチっとしたおできが綺麗に消え始めていました。
他にも、治療しているときは「もうやめて~!」と言っているほどだったのですが、その後は嘘のように痛みが無くなった方もいます。
歯の根の治療は・・・お口を空いている時間も長いですし、なかなか辛いと思います。
しかし、ご自分の歯を少しでも長く使って行くために必要なとても大事な治療です。
削って詰めたり、被せたりする治療に比べると、その治療の進み具合がわかりにくいので、途中で息切れしてしまう方も多いのですが・・・
ぜひぜひご自分の歯のために、継続して通って欲しいな~と思います。
この治療を辛抱強く頑張っていただけたら、かならずお口の中や歯の状況も改善していきますから!!