「デンタルフロス」
前回の歯医者さん事典vol.19で、歯ブラシの当て方についてお話をさせて
いただきましたが、毎日意識して歯磨きしていますか?
今回はいよいよ!!歯肉のケアの「肝」とも言える、デンタルフロスについてお話しいたします。
ついつい患者さんにも熱く語ってしまう程、「デンタルフロス」はとっても大切だと思っています。
お部屋の掃除をする際、まず掃除機や帚で全体を綺麗にし、その後細かい所を拭き掃除していきますよね。
お部屋の掃除同様、お口の中も歯ブラシで全体を清掃し、歯ブラシの届き難いところや取り除けなかった細かな
ところの汚れをデンタルフロスを使い清掃していきます。
「歯と歯の間の汚れを取って、歯と歯の間の虫歯予防に役立つ・・・」と多くの方はデンタルフロスを使用する
意味を捉えていらっしゃると思います。
もちろん、それも一理ありです。
しかしながら、それよりも大切なのが「歯と歯肉の境目と歯の壁にこびりついたプラーク=歯垢を絡め取ること」
なのです。このことをきちんと認識した上でデンタルフロスを使うと、歯肉の炎症が治まり出血もしなくなっていきます。
デンタルフロスは歯肉炎や歯周病予防に大きな役割を果たしていることになります。
上手くイラストで表現できるか少々自信がありませんが描いて見ましたのでご覧下さい。
オレンジ色の丸印が、デンタルフロスの断面と思って、上のイラストのAとBを比較してみてください。
Aは、歯と歯肉の境目を意識せずにフロスを当てていますが、Bは歯と歯肉の境目にフロスがしっかりと入っていますね。
紫で示した歯と歯肉の境目のプラークを取り除くには、Bの様に歯と歯肉の境目にデンタルフロスを入れる必要があります。
「えっ??こんなところまで入れるの??」と驚かれるかもしれませんが、どうぞ深くまで入れて下さい!!大丈夫です!!
そして、そのデンタルフロスをしっかりと歯の壁にぴったりと密着させてプラークを絡めとってください。
イラストにすると下の様になります。
しっかりと意識していないと、Aの様に歯と歯肉の境目のプラークを取り除くことはできません。
Bの様に歯と歯肉の境目にデンタルフロスを入れて、歯の側面に沿わせるように動かすと、壁にこびりついていたプラークを
きちんと取り除くことができるのです。
百聞は一見に如かずという諺通り、実際にお口の中を鏡で見ていただきながらお話しすると、今までの説明が「なるほど!!」
とご理解いただけるのですが・・・。
このイラストでなんとかイメージをしていただけたら、とっても嬉しいです。
そして、歯と歯肉の境目の清掃を行う際は、痛みを感じない柔らかいデンタルフロスをお使いになって下さいね。
粗悪な素材のものを使うと、かえって歯肉を傷めてしまうこともあります。
どんなデンタルフロスが良いのかわからない時は、お近くの歯医者さんでご相談してみてくださいね。
ちなみに当クリニックでおすすめしているのは、「フロアフロス」です。
・糸の部分がとっても柔らかく、歯肉に当たっても痛くない
・プラークがごっそりと取れる
毎日の歯磨きをしっかりと行っているつもりでも、歯と歯肉の境目、歯と歯の間にはプラークが付着がしています。
フロアフロスで清掃してみると、そのことが本当に実感できます!!
細かなところまでしっかりとケアしてあげることで、虫歯や歯周病・歯肉炎、そして口臭の予防にもなるのです。
ご自分の歯の健康を守るためにも、お口ケア頑張りましょう!!