「疲れたり、体調が悪かったりすると親知らずの辺りが痛い・・・」
そんな経験をされたことはありませんか?
 
今回は、前回に引き続き「親不知(おやしらず)」についてのお話です。
 
前回の記事内でご説明させていただきました様に、顎に親不知が生えてくるだけの十分なスペースが
ないために、中途半端に生えたり斜めに生えてしまったり、歯茎の中に埋まったままになってしまう
ケースがあります。
 
まず、下の親不知についてイラストにしてみます。
 
201507111
 
 
Aのように真っ直ぐに生えている場合は、虫歯や歯周病にならない限りは抜歯せずに、そのまま保存するこができます。
 
親不知は一番奥に生えているため、歯ブラシも届きにくく虫歯や歯周病が進行しやすいので注意が必要!!
 
親不知が真っ直ぐに生えている方は、毎日のお手入れをより一層丁寧に行うことを心がけてください。
 
次は、比較的真っ直ぐではありますが、親不知のすぐ手前にある7番目の歯にぶつかって生えてくることが出来ない
状態です。
 
201507112
 
青い線より下は「骨」、赤い部分は「歯肉」とイメージしてご覧下さい。
 
BとCの違いってお分かりになりますか?
 
 
一見、ほととんど変わりがないのですが、Bでは歯が歯肉の下に隠れてしまっていますね。
 
 
この状態ですと、患者さん自身は「時々なにか違和感があるわ・・・」と感じているのですが、自分では親不知が
あることを目で見て確認することはできていないのです。
 
Cでは歯の一部が歯肉から出ているので、患者さんは自分の目で親不知を確認することができます。
 
歯肉から歯の一部が見えているので、その周りに炎症が起きやすく、痛みや腫れを生じるのもこの状態の時です。
 
 
しかし、どちらの場合も歯の一部が骨の外に出て来ているので、患者さん本人の自覚症状が無くても抜歯をする
必要があります。
 
親不知が横向きになってしまっている場合にも同様のことが言えます。
 
201507113
 
 
DもEも横向きになっていますね。
 
 
Dは、歯肉の外に歯が一部出ていて、見える状態。
 
Eは、歯肉の下に隠れていて、目で見ることが出来ない状態。
 
 
どちらも歯の一部が骨の外に出て来てしまっているので、抜歯をする必要があります。
 
「歯医者さんで親不知を抜いたら、ものすごく腫れた・・・」という話しを耳にしたことがあるかと思いますが、
それは、患者さんの親不知の生えていた状態がDもしくはEのケースであることが多いですね。
 
親不知があるから絶対に抜歯をしなければいけないという訳ではありません。
 
 
親不知があっても、骨の中に埋まっている状態で今後生えてくる気配が無い場合は、抜歯をしないこともあります。
 
 
イラストをご覧下さい。
 
201507114
 
 
ではなぜ、親不知の一部が骨の外に出ていたら、抜歯をしなければいけないのか・・・。
 
それは、次回の歯医者さん事典に続きます。