歯医者さん事典vol.57〜入れ歯の人も歯ぎしりするの??〜
先日お見えになった患者さんのことです。
最近、急に入れ歯の歯の部分を壊してくるようになりました。
最初の来院時には犬歯の人工歯が外れ・・・
そして、数日後の来院時は奥歯の一部が欠けてきました。
おかしいな?・・・・・、いったい急にどうしたのかしら??と思い、よくよくお話しをお伺いしてみたところ、
以前までは入れ歯を外して寝ていたそうですが、最近入れ歯を入れて寝るようになったとのことでした。
しかも、ご本人かなり歯ぎしりをするとのことで・・・
なるほど!それで急に入れ歯が壊れてくるようになってしまったのですね。
そうなのです。
入れ歯の方も、歯ぎしり・・・するのです。
歯医者さん事典vol.47でお話したように、夜寝ている間に入れ歯を入れていた方が,残っている歯への負担は少なくなります。
ただし、寝ている間に歯ぎしりをしてしまう人の場合は、この患者さんのように入れ歯を壊してしまう可能性がありますので、要注意!なのです。
起きている間は入れ歯を壊すような力では噛まないのですが、寝ている間は無意識なので力を制御できないのです。
就寝中の無意識状態での食いしばりが、どれほど歯に負担をかけているかということですね。
だからといって、入れ歯を外してお寝みになるのはさらに危険!!
入れ歯を壊してくるほどの力を、残っている歯だけで受けて止めてしまったとしたら・・・??
残っている歯はますますダメージを受けてしまいます。
それではどうすれば良いのかといいますと・・・
歯ぎしりや食いしばりをする方が夜寝ている間に使うマウスピースのようなものを、入れ歯の代わりに使います。
そうすることによって、残っている歯を守るようにしていきます。
先日お見えになった患者さんも・・・さっそくマウスピースを作るための型を取りました。
入れ歯を使っている方で、歯ぎしりしているという自覚のある方は一度ご自分の入れ歯をよく観察してみてくださいね。
入れ歯を作ってからそれほど年数が経っていないのに、ヒビが入っていたり、歯の部分が欠けていませんか?
ただひとつだけ誤解していただきたくないのは、何年も入れ歯を使用していると、当然入れ歯にヒビが入ったり欠けたりします。
その点だけはしっかりとご理解くださいね。