歯医者さん事典vol.58〜弱ってしまったエナメル質って元に戻るの?〜
歯医者さん事典のなかで何度かお話しているエナメル質が弱ってしまうお話、覚えていらっしゃいますか?
過去の記事はこちらから
・歯医者さん事典vol.38~歯の白斑って虫歯なの?~
・歯医者さん事典vol.42~その習慣も間食です~
・歯医者さん事典vol.45~弱い歯は見ただけで分かります~
弱ってしまったエナメル質・・・
表層がすこし白濁してきて、うっすら茶色くなっていたとしても、器具で触ってみると、硬くて削れて来ないような場合。
とても悩ましい状態なのですが、この状態・・・私はできるだけ削らないようにしています。
それはなぜかというと・・・
今後のケアや生活習慣の改善によって、進行を食い止めることができる可能性があるからです。
それでは、どうすれば良いの?という声が聞こえてきそうですね!!
まずは毎日の食後の歯磨きをしっかりと行います。
例えば、エナメル質が弱っている所が歯と歯肉の境目のところなのであれば、そこにいつもプラークがついているためにその下の歯が弱ってしまっているということなので、まずはその危ない所に磨き残しがないようにしっかりと清掃します。
次に、間食を減らします。
歯医者さん事典vol.41でお話したように、食べ物を食べるたびにお口の中は酸性に傾いてエナメル質からミネラルが唾液中に溶け出してしまいます。
間食を減らせば、酸性に傾く機会が少なくなるので、その分エナメル質が溶けるリスクは低くなるというわけです。
さらにプラスαとしては、虫歯菌のリスクを下げて歯の再石灰化を助けてくれるキシリトールガムを噛むことも有効です。
キシリトールについてはまた別の機会に詳しくお話しますが、ここで注意して欲しいのは、「あくまでもプラスα」だということ。
基本的な歯磨きもせず、間食をいっぱいして甘い物も食べている状態でキシリトールガムを噛んでもなんの意味もありませんので、その点は注意してくださいね。
こうしてみると・・・弱ったエナメル質を元に戻すために出来る事って、全然難しいことじゃないのです。
ごくごく基本的なことなのです。
特別なことじゃなくて、基本的なことを毎日コツコツと続けること・・・
これが、虫歯においても歯周病においても、本当に大切。
そのことを、ぜひ覚えておいてくださいね。