歯医者さん事典vol.59〜歯肉にプチッとできたおできって何?〜
 
 
先日いらっしゃた患者さんです。
 
「歯ぐきにプチッとおできが出来たのですけが、それがつぶれてしまったのです!」と不安な様子でご予約のお電話をくださいました。
 
歯ぐきにプチっと出来たおでき・・・皆さんの中にもご経験のある方、いらっしゃるのではないでしょうか?
 
今日はこの「歯肉にプチッとできたおでき」についてお話しますね。
 
このおできができる原因は2つほどあります。
まず一つは歯医者さん事典vol.16でもお話した歯の根が割れてしまった時。
 
もう一つは・・・歯医者さん事典volでもお話しした歯の根の先に細菌が感染して膿の袋が出来た時です。
イラストにしてみました。
 
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両方とも、細菌に感染することによって歯の根の周囲の骨が破壊されて、その破壊された空間に膿の袋ができてきます。
 
急に痛みが出ることもあるのですが、多くの場合は疲れた時に違和感を感じる程度でそれほど痛みを感じないので、何年も放置されてしまいます。
 
そうすると・・・
 
最初は歯の根の先や歯の根の破折線の周囲の骨に限局していた膿の袋が、どんどん大きく広がって下の絵のように膿の逃げ道を作ってしまいます。
 
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この「膿の逃げ道」の歯肉側の出口が歯肉にプチッとしたおできなのです。
 
この逃げ道があると、細菌が活動して膿が溜まって来ても膿の袋がパンパンにならないため、痛みを感じないのです。
 
そのためこの逃げ道があることを気づいていない方も、結構いらっしゃいます。
 
少しでも痛かったりすると気づくのかもしれませんが、痛くないので気づかない・・・
 
さらに、気づいていたとしても、痛くないから放置したり・・・
 
自分でつぶすと一時期はひっこむので、歯医者さんに行かなきゃ!と思いつつ、ついつい放置してしまう方もいらっしゃいます。
 
ギクっとした方、意外と多いはずではないいでしょうか?
 
ただ・・・もうお分かりかと思いますが、痛みが無いからといって放置していても治っているわけではありませんので、お心当たりのある方は、ぜひお早めに近くの歯医者さんで診てもらってくださいね。