歯医者さん事典vol.61〜すごく悩ましい初期の虫歯を削りたくない理由〜
歯医者さん事典vol.58内で、「エナメル質が弱っている初期の虫歯はかなり悩ましいけれど、できるだけ削らないようにしている」というお話をしました。
今日はその理由についてお話しますね。
まずは、何と言っても歯医者さん事典vol.58でも説明したように、毎日のケアと生活習慣を変えることによって、弱ってしまったエナメル質にミネラルが戻ってくる可能性があるということ。
そして、ごくごく初期の浅くて小さい虫歯の場合は・
その虫歯を取り除こうとすると、健全な歯質をいっぱい削らなければならないということです。
どういうことなのか??ちょっとイメージし難いですね。
では、恒例のイラストにして説明しますね。
上のイラスト内Aのように大きな虫歯の場合はオレンジ色の線のように削って虫歯を取り除きます。
できるだけ虫歯の部分だけを取り除くように削りますが、それでも少なからず健全な歯質も触ることになります。
ごくごく浅い初期の虫歯の場合は、Bのように道具が届きやすいところに出来た場合でも虫歯よりも健全な歯質を削らないと、残念ながら
虫歯を取り除くことができません。
さらに道具が届きにくいCのようなところを治療しようと思ったら、Cのオレンジの線のように上の方から削ることになります。
取り除きたい部分よりも削れる健全な歯質の方が多くなってしまうのです。
とてももったいないですよね!
もちろん、Cのようなところに出来た虫歯でも、場所によっては上から削らなくても出来る場合もありますが、そうであっても健全な歯質を削る量の方が多くなってしまうのは一緒です。
初期の虫歯を削るために、健全な歯質をいっぱい削ることになるなんて、なんだか本末転倒ですよね。
毎日のケアと生活習慣の改善によって、元に戻る可能性があるのであれば、やっぱりその可能性にかけたいところです。
エナメル質が弱っている初期の虫歯を悩ましいな~と思いながらも、出来るだけ削らないようにしている理由はここにあるのです。
(もちろん、明らかにエナメル質が崩壊して器具を触れると削れてくるような場合には、治療を行います。)
歯医者さんで、まだ削るほどの虫歯ではないから様子を見ましょうと言われた経験がある方もいらっしゃると思います。
そのような経験のある方は、要注意の場所のケアをしっかりと行ってくださいね。
そして定期的に歯医者さんでチェックしてもらいましょう。