歯医者さん事典vol.79〜抜歯しなければならないのは、どんな時?〜歯周病の場合〜
大切な自分の歯・・・・できれば抜歯したくないですよね。
でも、やはり歯を抜かなければならないことってあります。
最終的に歯を抜かなければならない時はどんな時かというと、主に下記の4つのケースがあります。
①歯の根が割れてしまった場合。(歯医者さん事典vol.16)
②歯周病で歯の周りの骨が破壊して、グラグラになってしまった場合。
③歯の根の先に膿の袋が出来たのが大きく広がって、歯の根の治療をしても治る見込みが無い場合。
④歯の根の深いところにまで虫歯が進んでしまった場合。
①については、歯医者さん事典vol.16でお話していますので、そちらをご覧くださいね。
今回は、②の「グラグラになってしまった場合」についてお話します。
歯医者さん事典vol.33・ vol.34でもお話したように、歯周病は歯の根の周囲の歯肉や骨が破壊される病気です。
歯医者さん事典vol.34で説明したように、歯の根の周囲の骨が破壊されて、下のイラストのようになってしまうと、歯はグラグラになってしまいます。
砂の山に木の棒を立てるときのことをイメージしてみてください。
木の棒の3分の2くらいまで砂のなかに入っていれば、木の棒は安定します。
しかし、砂の山が木の棒の3分の1の高さしかなかったとしたら・・・
木の棒はグラグラになってしまいますよね。
歯も一緒です。
人間の歯は実にうまく出来ていて、歯の根の長さは歯全体の長さのちょうど3分の2の長さになっています。(ただし、個人差があり稀に歯の根の長さが短い方もいます)
そのため、健康な歯肉の方は歯がグラグラすることはありません。
(厳密に言うと、噛み合わせなどによって動揺してくることはありますが、それはまた別の機会にお話します)
ところが、歯周病が進行して、先ほどのイラストのように歯の根の周囲の骨が破壊されてしまうと、砂山に立てた木の棒のようにグラグラになってしまいます。
このようになってしまうと、残念ながら抜歯をするしか方法がなくなってしまうのです。
このような状態になってしまうと、歯はグラグラ揺れているので、噛むと痛く感じたり、力を入れて噛むことが出来なくなってしまいます。
体調が悪い時には歯肉が腫れて痛くなってしまうこともあります。
とても怖いことですね!
歯周病というの、は進行していてもあまり痛みを感じないことが多いので、患者さんは気づかずに日常を過ごしていることが多いのです。
患者さんご自身はあまり自覚していなかったとしても、実はレントゲンを撮ってみたり、歯肉の検査をするとかなり歯周病が進行していることは
決して珍しいことではありません。
「私にかぎって大丈夫!」とは過信しないでほしいと思います。
歯周病になるリスクは誰しもあるのだということだけは心しておいていただきたいのです。
定期的に歯医者さんでチェックして、毎日のケアをしっかりと行っていくことが本当に大切です。
最近、歯医者さんに行っていないな・・・という方は、ぜひ一度チェックしに行ってみてくださいね。