歯医者さん事典vol.85〜入れ歯のチェック、大切です〜
先日いらっしゃった患者さんのことです。
「入れ歯の歯が欠けた!」とのことで来院されました。
診てみると・・・人工歯の噛む面の一部が欠けていました。
さらによくよくお口の中を観察してみると、歯の並んでいないピンク色のところもすり減っています。
「これはもしかして??」と思い、患者さんに聞いてみたところ、やはり「起きている時に食いしばってしまうクセ」があるかもしれないとのことでした。
さらに、時々入れ歯を入れたままでお昼寝してしまうこともあるらしく、かなりの力が入れ歯にかかっていました。
起きている間は意識して、食いしばりをしないように気をつけることが出来たとしても、就寝中は無意識なため、コントロールをするのは不可能です。
このまま寝ている間も入れ歯を使い続けてしまうと、ますます入れ歯がすり減ってしまう可能性がありますし、入れ歯を外して寝てしまうと、今度は
残っているご自分の前歯に負担がかかってしまいます。
そのため、夜寝ている間にはマウスピースを使ってもらうことにしました。
入れ歯の歯が欠けてしまったのは気の毒でしたが、まだ今の時点で気がついて良かったと心から思いました。
もし、このまま使い続けていたら、もっと大きく入れ歯が壊れていたかもしれません。
患者さんもピンク色のところがすり減って、金属が露出し始めていることに気づいていたようですが、それほど気に留めていなかったようです。
こういったほんの少しの変化が、実はとっても大切なことだったりするのです。
毎日少しずつ変化していくものなので、なかなか気づくことは難しいかもしれません。
時々ご自分の入れ歯をチェックして、少しでもあれっ?と思った時には、ぜひ歯医者さんでチェックしてもらってくださいね。