歯医者さん事典vol.97〜被せ物や詰め物を作るときに上あごと下あごの両方の型をとるのはなぜ?〜
 
 
「上の奥歯の被せ物を作るのに下の型も取るのはどうしてですか?」
 
被せ物や詰め物を作るために、お口の型を取る際に時々患者さんに訊かれることがあります。
 
被せ物を作る時には上あごと下あご、両方の型を取る必要があります。
私たち歯科医や歯科医院で働くスタッフにしてみますと、ごく当たり前のことなのですが、意外とこの質問を受けることが多いです。
 
今日はそのことについてお話しますね。
 
例えば、下の奥歯の被せ物を作る時は上あごの型も取って、下あごと上あごの模型を作ります。
この2つの模型を使い、下の奥歯の被せ物は上の奥歯と噛み合うように作られます。
 
201612101
 
もしも、上あごの模型が無かったとしたら・・・??
上あごの歯の位置が分からないので、実際に装着し上下のかみ合わせを見てみると、出来上がった被せ物が高すぎたり、低すぎたりしてしまいます。
 
下のイラストを見てイメージしてくださいね。
 
201612102
 
Aのように高すぎると、隣の歯が当たらなくなってしまいます。
 
反対にBのように低すぎると、今度は被せ物の歯が上の歯と噛み合わなくなってしまいます。
 
出来上がった被せ物の高さを正確に作るためにも、上下両方の型を取る必要があるのです。
 
上下両方の型を取る理由、ご理解いただけましたか??
 
ただし、上下両方の型を取って作ったとしても微妙な調整は必要です。
 
お口の中は髪の毛が1本入っただけでもわかってしまうほど敏感なので、噛み合わせの記録もとっても大切なのです。
 
次回は、噛み合わせの記録を取る時のコツについてお話しますね