歯医者さん事典vol.141〜中断して欲しくないケース5〜歯の根しか残っていない歯がある場合〜
歯医者さん事典、中断して欲しくないシリーズです。
今日は『虫歯が進んでしまって根っこしか残っていないような歯がある場合』についてお話します。
虫歯が進んでしまって、根っこしか残っていない状態って想像つきますか?
過去の歯医者さん事典内でも何度か出て来ていますので、すでにお分かりの方もいらっしゃるかと
思いますが、初めて聞くとなかなかピンときませんよね!!
イラストでイメージを描いてみました。
虫歯が進んでしまって、歯の頭の部分が無くなって、歯の根だけが残っている状態です。
いかかでしょう。なんとなくイメージしていただけましたか?
この状態で、ずっと放置してしまうと怖いことがたくさん起きて来ます。
それは・・・
例えば、仮の蓋が取れて歯の根の虫歯も進んでしまったら、歯の根の周りの歯肉がモリモリ盛り上がって来て、下のイラストに描いたように歯の根は歯肉の下に埋もれてしまいます。
治療を中断した当初は歯の根の長さが十分にあったはずなのに・・・・
ずっと放置してしまうと、露出しているところが虫歯になったり、上の歯と当たろうとして歯の根が上に向かって動いてくるので、歯を支えている骨に植わっている歯の根の長さが短くなってしまうこともあります。
(詳しくは過去の歯医者さん事典vol.14~歯の根の治療を途中でやめちゃったらどうなるの?~
をお目通しいただけたら幸いです。)
ホントにホントに、怖いです。
たった1本だけであっても、このような状態になったら大変なことになるのに、歯の根だけになってしまった歯がたくさんある場合には、さらに事態は深刻です。
お口の中のいたるところで、歯の根が歯肉の下に埋もれて、さらに歯が動いて歯列が乱れてしまうのですから、噛み合わせも悪くなりますし、全体のバランスも崩れてしまいます。
治療して被せ物を作ろうと思っても、上下左右の歯が動いているために歯を入れるスペースが無かったり、そもそも残っている歯の根自体が被せることができない状況になっていて、抜歯することになったりします。
患者さんは、こういうことをご存知ないので、痛みも無いし怖いからとついつい放置してしまうのでしょうね。
治療を中断しなければ、問題なく治療出来たのに・・・
そう思うと、本当にもったいないなあと思いますし、一人でも多くの方に治療を中断するとどういうことが起きるのか?ということを知っていただきたいなと思います。
もしも、この歯医者さんの方で歯の根しか残っていない歯があって、そのまま放っておいている方がいらっしゃったら・・・ぜひお早めにお近くの歯科医院に行くようにしてくださいね。