歯医者さん事典vol.192〜歯肉から出血しなくなったら、歯間ブラシはしなくても良いの?〜
 
 
先日、久しぶりに来院された患者さん。
 
 
歯肉のチェックをしていたところ、奥歯の歯肉の歯周ポケットがかなり深くなっていました。
 
 
ポケットからの出血もかなりの量で、ドロッとした悪そうな感じです。
これは、ご自宅でのケアも頑張っていただかなければ!
 
 
そう思って、歯間ブラシでの清掃の仕方について鏡を見てもらいながら、説明していたところ、
患者さんがおっしゃいました。
 
 
患者さん:「先生、以前も教えてくださいましたよね。その時頑張ったんですけど、出血が無く
なったので大丈夫だとすっかり安心して、歯間ブラシを使うのを止めてしまいました(笑)」
 
 
私:「ええっ??止めてしまったんですか?」
 
 
患者さん:「はい!一生懸命やって、血が出なくなったから、やらなくても良いんだと勝手に
判断してしまいました。」
 
 
ひゃ~!!
またまた患者さんとの認識のギャップにビックリしてしまいました。
 
 
なるほど、私にとっては歯ブラシやフロスや歯間ブラシは「健康な状態であっても毎日使用
するもの」なのですが、患者さんの中には、歯ブラシはともかくとして、「フロスや歯間ブ
ラシは何か悪いことが起きている時に使うもの」と思ってしまう方もいるということなのですね。
 
 
フロスや歯間ブラシ・・・これは健康な時から使っていて欲しいものです。
これらを使用してしっかりと清掃することによって、歯肉の炎症は治まりますし、健康な状態
を維持することができます。
 
 
そのため、歯肉の炎症が治まって出血がなくなったとしても、使用を中止したとたん、歯と
歯肉の境目にプラークが付着してあっという間に歯肉に炎症が起きてしまいます。
 
 
皮膚などの切り傷などは、一度治るともう大丈夫ですよね?
 
 
しかし、お口の中は違います。
虫歯にしても歯周病にしても、治療して症状が落ち着いたとしても、その後のケアを怠って
しまうと簡単に再発してしまいます。
 
 
ここが、お口の中の病気の怖いところです。
 
 
「健康な状態を維持するためにも!」
痛みや炎症や出血が無い時から、しっかりとフロスや歯間ブラシを使用して清掃していき
ましょうね。
 
 
そうすることで、ちょっとした変化に気づくことが出来て、虫歯や歯周病が進行しないうち
に治療することが出来ます。
 
 
そういえば、歯医者さんで指摘された時は頑張っていたけど、最近はサボってしまっている
なぁと心当たりのある方は、ぜひ今日からやってみてくださいね。