歯医者さん事典vol.198〜電動歯ブラシの落とし穴〜
 
 
先日いらっしゃった患者さん。
 
 
お口の中の状態をチェックしてみたら、ほっぺた側の歯の表面はツルツルしているのに、
舌側(裏側)にはたくさんプラークがついていました。
 
 
歯と歯肉の境目だけじゃなくって、舌側の歯の表面全体にプラークが堆積しているのです。
 
 
つい先日、クリーニングをしたばかりでしたので、歯石にはなっていませんでしたが、明らか
に古いプラークだと分かります。
 
 
あれっ?と思って
 
 
「歯の裏側の歯磨きは苦手ですか?」とお聞きしてみました。
 
 
すると、驚きの答えが返って来ました。
 
 
一瞬、ええっ??と・・・
 
 
どうやら、電動歯ブラシだと歯の表面に当てるだけで、全体の汚れを落とすことができると
誤解していたようでした。
 
 
そうですよね。
 
 
一般の方々でしたら、あのようにブラシが回転したり振動したりするのですから、ちょっと
使っただけですごく汚れを取ることが出来るって思ってしまうのも無理はないと思います。
 
しかし・・・残念なことに、あれだけすごい音を出して動く電動歯ブラシですが、電動
歯ブラシだけで全ての汚れを落とすことは不可能なのです。
 
 
裏側の汚れを落とすには、やはり裏側に毛先を当ててあげなければなりません。
 
 
さらに、電動歯ブラシのブラシって比較的かたくて太いので、私がいつも訴えている歯と
歯肉の境目のプラークを除去することはできないのです。
 
 
それにはやっぱりデンタルフロスなのですね。
 
 
古典的でアナログなのですが、やはり地道に行うことが一番効果的なのです。
 
 
電動歯ブラシの落とし穴・・・意外とハマっている方が多いので、気をつけて欲しいなって思います。
 
 
もちろん、電動歯ブラシを全否定しているわけではありません。
 
 
私も持っていますし、使います。
 
 
けれど、電動歯ブラシで清掃した後にフロスをしてみたら・・・やはり汚れは残っています。
 
 
やはり基本は歯ブラシとデンタルフロスなんだなあって、使うたびに実感しています(笑)
 
 
電動歯ブラシを持っている方は、我流で使用するのではなく、効果的な使い方について
歯科医院に聞いてみてくださいね。
 
 
きっと貴女のお口の状態に合わせた効果的な使い方と、補助器具(フロスや歯間ブラシなど)
について教えてくださると思います。
 
 
教えていただいたことを実行して、健康なお口をキープしていきましょうね。