歯医者さん事典vol.122〜唾液のチカラと毎日の習慣・・・あなどれません☆〜
先日、前歯の着色が気になるといって来院された患者さん。
お口の中を拝見すると・・・確かに上の前歯がうっすらと着色していました。
歯の着色しているところのエナメル質を確認すると、なんだかちょっとザラザラ
しているような感じです。
あれっ?と思って、お口の清掃状態をチェックしてみると、全体的にうっすらと
磨き残し=プラークがついていました。
しかも、上の歯のほっぺた側のエナメル質が弱っている感じ・・・・
これはもしかして!と思って、患者さんに質問してみました。
私「お仕事の合間にお砂糖の入った飲み物やお菓子などをダラダラと食べていませんか?」
患者さん「はい。お砂糖とミルクを入れた紅茶を飲んでます。」
そうなんです。
この歯の表面のうっすらとした着色の原因はこのダラダラ飲食にあるんです。
お砂糖の入っている食べ物をダラダラと飲食する
↓
お砂糖を餌にして虫歯菌が酸を出す
↓
歯の表面のエナメル質が溶かされる
↓
エナメル質の表面がザラザラになって、汚れや着色がつきやすくなる
さらにこの患者さんは、上唇があいていて上の前歯が乾燥しやすい状態でした。
ご本人に口呼吸の自覚はありませんでしたが、おそらく口呼吸も少なからずあったのでは
ないかと思います。
いつも上の前歯が乾燥していたために、唾液の自浄作用が働かない環境にありました。
ダラダラ飲食に加えて、唾液の自浄作用が働かない・・・
そのために、歯のエナメル質が弱ってしまって艶がなくなって、着色してしまったのだと
思われます。
その証拠に、下唇に隠れている下の前歯はとっても綺麗なエナメル質でした。
(下唇に隠れているということは常に唾液に覆われているということです)
同じお口の中で、しかも前歯の上と下という違いだけなのに、乾燥しているというだけで、こんなにも違うんです。
毎日の習慣やお口の癖って、ホントあなどれません。
このエナメル質がやや弱って着色している状態は、虫歯のなりかけの状態。
現時点ではまだ器具で触っても削れないので、今後の毎日のケアと生活習慣の改善で
エナメル質が元に戻ることができる状態です。
患者さんには毎日のケアと生活習慣の改善(ダラダラ飲食やお口を閉じること)の大切さ
についてお話しました。
この弱っているエナメル質の状態が改善すれば、歯に艶が出て来て、着色しにくくなって
きます。
かなりの根気と努力が必要ですが、頑張って欲しいなあと思います。