今日の歯医者さん事典は、「歯周ポケットが深くなること」についてお話します。
かつて歯医者さんへ行った時に、「歯周ポケットが深くなっていますね」と言われたことはありませんか?
歯科医師や歯科衛生士などは、普段何気なく使っている言葉なのですが、患者さんはあまり理解していないのかもしれないと思いましたので、
今日はそのことについて説明します。
歯医者さん事典vol.31でご説明したように、炎症のある歯肉と歯の境目の溝のことを歯周ポケットと言います。(まだ読んでいない方は、そちらをお読みいただいてから今日の記事を読んでいただいた方が分かりやすいかと思います。)
「歯周ポケットが深くなる」ということは、この歯肉と歯の境目の溝が深くなるということです。
まずは歯肉炎の場合について説明してみますね。
上のイラストは歯周ポケットの深さを調べるための器具を入れた状態です。
健康な歯肉(A)と、歯肉が少し腫れた歯肉炎(B)の場合を見比べてみてください。
Bの方が、歯肉の溝の深さが深くなっているのがお分かりいただけますか?
Aが1~1.5目盛りなのに対して、Bは2~2.5目盛りの深さがあります。
そしてさらに、歯肉炎が悪化して歯を支えている骨にまで炎症が広がって歯周炎の状態になると、下のイラストのCのようになります。
(歯肉炎と歯周炎については歯医者さん事典vol.33をご覧下さい)
骨が破壊されてしまうので、その分歯周ポケットは深くなってしまいます。
もっと極端に描くと、こんな感じです。
ここまで深くなってしまうと、出血だけでなく膿も出て来ます。
歯肉を指で押すと歯と歯肉の境目から黄色い膿が出てくることもあるのです。
怖いですね。
歯医者さんに行き、歯ぐきの検査をした時に、3ミリとか、5ミリとか、出血とか・・・ぶつぶつと先生が言っているのを聞いたことはありませんか?
あれは、この歯周ポケットの深さと出血について調べているのです。
歯ぐきを触られてちょっとチクチクするかもしれませんが、実はとっても大切な検査なのです。
溝が深くて出血するところは、要注意!です。
今度、歯医者さんに行った時は是非、耳をダンボにして(笑)、その検査の数字をチェックしてみてくださいね。