歯周ポケットが深くなることについてご説明しようと思っておりましたら・・・その前に、またまた説明する必要があることが出て来ました。
 
それは「歯肉炎と歯周炎の違い」についてです。
 
なんとなくは分かっているようでも、実はきちんと理解されている人がいらっしゃらないのが大半ではないでしょうか?
 
歯医者さん事典vol.18でお話したように、「歯肉炎は歯と歯肉の境目(歯肉溝)にプラークが溜まって、歯肉が炎症を起こしてしまった状態」です。
 
イラストにしてみると・・・Aの状態が健康な歯肉、Bの状態が歯肉炎になっている歯肉です。
 
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AとBの骨の高さが同じになっているのがお分かりいただけますか?
 
「歯肉炎は文字通り歯肉に炎症が起きている状態」で、歯を支えている骨に炎症は広がっていませんので、骨はまだ無事です。
 
ところが、この状態を放置してしまうと、歯と歯肉の境目のプラークや縁下歯石の中にいる細菌は歯肉だけでなく、その奥にある歯を支えている骨にまで悪さをして、骨を破壊してしまいます。
 
イラストにしてみます。
 
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Aに比べてCの骨の高さが低くなり、歯肉が腫れています。
歯肉だけでなく、歯を支えている骨にまで炎症が広がり、骨が破壊されてしまっている状態が歯周炎です。
 
最初は歯肉炎と同じように、歯肉からの出血程度であまり痛みがないので、本人の気づかないうちに進行してしまいます。
 
歯周病で歯医者さんに駆け込むほどの痛みが出た時には、かなり進行して重症になっていることが多いです。
 
歯を支えている骨の状態をイラストにしてみます。
 
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ここまでくると歯を支えている骨が無くなってしまっていますので、歯がグラグラと動いたり、力を入れると痛くて噛めなかったり、歯肉がすごく腫れて膿がでてきたりします。
 
そうなると、たとえ虫歯になっていない健康な歯であったとしても、残念ながら抜歯をしなくてはいけません。
 
虫歯になっていないのに・・抜かなきゃならないなんて悲しいですよね。
「歯肉からの出血はお口からの危険信号」であると覚えておいてくださいね。
 
まだ骨にまで炎症が及んでいない歯肉炎のうちに、しっかりとケアを行っていくことが本当に大切です。
 
 
歯肉からの出血へのケアについては・・・歯医者さん事典vol.18~20をご覧下さいね。