歯医者さん事典vol.104~お口の型を取る材料が熱かったり、冷たかったりするのはなぜ?~
歯医者さんでお口の型を取る時
なんだか熱い材料が入って来たり、冷たい材料が入って来たりでビックリしたことはありませんか??
今日は「歯の型を取る時の材料について」お話します。
お口の型を取る材料で一番ポピュラーなのは、冷たくて柔らかい材料だと思います。
みなさんも一度は体験したことがあるのではないかなと思います。
この材料はアルジネートといいます。
水と粉を混ぜて練ったものを、お口の型をとる道具(トレー)に盛ってお口の中に入れて行きます。
写真を撮ってみましたのでご覧ください。
「ああ!見たことある!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?」
この材料は冷水を使うので、お口入ってきた時はヒヤっと冷たいのが特徴です。
冬は特に水は冷たいですし、固まるのにも時間がかかります。
逆に夏になると、気温が上がって水道の水もぬるくなるので、油断するとあっという間に固まってしまいます。
患者さんの立場からすると、固まるのに時間がかかる冬は少し辛いかもしれません。
私たち歯科従事者としては、夏は冬と違い油断するとすぐに固まってしまうので、内心ヒヤヒヤすることもあるのです。
次に、歯の詰め物を作る時に削った歯の周りに使う熱い材料
これは寒天で出来ています。
寒天ってあの寒天です。
寒天なので、熱い時は柔らかくて冷えると固まります。
この原理を利用し精度を高くしたものを歯医者さんでは使っています。
ちょうど良い感じの柔らかい温度としては60℃くらい。
熱湯ではないですが、やはり患者さんにしてみたら若干熱く感じてしまうかもしれませんね。
神経のある歯で麻酔をしていなかった時にはその熱さが痛みと感じてしまうこともあります。
実際に詰め物を作るための型を取る時には、まず、この寒天を削った歯に丁寧に流し込んでから、
冷たいアルジネートを盛ったトレーで歯列全体の型をとります。
お口の中は熱くなったと思ったら、今度は冷たい材料が入ってくるので大忙しです。
しかもお鼻で息をしないと苦しいし、大変です。
私の方も、この時は真剣なので、熱そうにしていても「ごめんなさい!がんばって!」と言いつつ、容赦なくやってしまいます。
様々な工程の中で、いつも患者さんには協力していただき本当に感謝してます。
この型をとる作業というのが、歯の被せ物や詰め物を作るためにはとっても大切な第一歩なのです。
「歯医者さんで歯の型を取る時が一番苦手なんです」
とおっしゃる方はすごく多いので、本当に心苦しく恐縮なのですが・・・・
非常に大切な作業をしているということを、ぜひ知っておいていただきたいと思います。