歯医者さん事典vol.160〜新しい入れ歯は使い始めると痛くなります〜
 
 
新しい入れ歯が出来上がって、初めての食事。
 
 
多くの患者さんは「これで何でも食べれるようになるんだ~!」とワクワク
していることと思います。
 
ところが実際は、最初は大丈夫かと思っていたのに、暫くすると入れ歯が痛くて
使えない方がほとんどです。
 
 
薄くて敏感な粘膜の歯肉の上に、突然プラスチックのものが乗っかって、さらに
最大で自分の体重と同じくらいの力がかかるのですから、考えてみたら当たり前
のことですよね。
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しかしながら、患者さんにはそのような認識がありませんから、「新しい入れ歯
を楽しみにしていたのに・・・食べれない」と落胆してしまいます。
 
 
”入れ歯を作ったけど使っていない”という方のほとんどは、この時点で
「私には入れ歯は合わないんだ」と誤解してしまって、入れ歯の調整をしないまま
使わなくなってしまったパターンが多いです。
 
そのような誤解が起きないように、当院では「新しい靴と同じで、新しい入れ歯は
必ず痛くなります」と説明しています。
 
靴は伸びてくれますが、入れ歯は伸びてくれませんよね。
そのため、痛みが出たところの歯肉の傷を確認しながら入れ歯の方を調整していきます。
 
 
地道な調整を何度か繰り返すことによって、ようやく入れ歯が自分の物になっていくのです。
 
中には、入れ歯自体に慣れていないし、こわごわ使っていたので、最初は全然痛みもなく
使えてしまう方もいます。
 
 
でも・・・そう言う方も、入れ歯に慣れて来るとだんだん力をいれて噛めるようになって来ます。
 
この場合は、入れ歯に慣れて色んな物を食べることが出来るようになってきてから、
時間差で痛みが出てくるのです。
 
このような方は、そこからの調整が勝負になります。
 
 
髪の毛1本入っただけでも分かってしまうほど敏感なお口の中に、あれだけ大きな
物が入ってくるのですから、患者さんにしてみたら本当に大変なことだと思います。
 
 
入れ歯が使えるようになるかならないかは、とにかく患者さんの根気にかかって
いるなあとつくづく思います。
 
 
患者さんの努力が実を結んで美味しくお食事が出来るようになるために、出来る限りサポートしていきたいなって思っていますので、ぜひお気軽に調整にいらしてくださいね。