歯医者さん事典vol.92〜歯の被せ物ができるまで〜型取り、とっても大事です〜
 
 
みなさんのお口の中にある、歯の被せ物や詰め物・・・
それらがどのように作られているか、ご存知ですか?
 
今日から「歯の被せ物や詰め物が出来上がって来るまでシリーズ」、始めます。
 
長くなりますので・・今日はまずは型取りについてお話していきます。
 
まずは基本の基本から。
被せ物や詰め物を作る時に必ずやらなくてはいけないのが、型取りです。
 
これ・・・苦手な方、多いですよね^^;
 
確かに柔らかい材料がお口全体に入ってくるので、息苦しくなってしまいます。
 
でも、お口の中の歯にピッタリとした被せ物や詰め物を作るためには避けては通れない作業です。
 
しかも、お口の中は唾液やら血液がいっぱい!
さらに舌や唇や頬など動くものに囲まれています。
 
被せ物と歯の境目になる大切なところが唾液や血液で不明瞭になってしまうと、適合の良い物を作ることが出来なくなってしまいます。
 
何気なくやっているように見えている型取りなのですが、実はかなり過酷な状況の中で歯型の記録をとっているのです。
この精密な型を取る時には、無意識のうちに息を止めていることが多いです。
 
特に難しいときは、思わず食いしばっていることもあります。
患者さんもきっと辛いだろうなと思いますが、こちらも真剣勝負!です。
 
でも、ここがきちんとしていないと、全てが台無しになってしまいます。
ほんの少しのエラーが結果的に大きな誤差になってしまうことも少なくないのです。
 
型を取った時は大丈夫かな?と思っても、実際に模型が出来てみたら、不明瞭だった・・ということもあります。
そういうわけで、型を取った記録が不明瞭だった場合には、再度、型を取り直したりもします。
 
 
患者さんにはご迷惑をおかけしてしまうのですが、精密でピッタリした物を作るためには必要なことなのです。
 
熱い材料が入ってきたり、冷たい材料が入って来たり・・・
苦しかったりもするかと思いますが、良い物を作るための最初の一歩です。
 
患者さんにはぜひ、ご理解していただきたいなと思います。