急に気温が下がり、少し肌寒い週の始まりです。
この時期は、体調を崩される方も多くなりますので、どうぞご自愛下さいね。
 
さて、前回、虫歯になるには個人個人のお口の中の状態によって異なることを書かせていただきました。
 
虫歯になるには、虫歯菌が喜ぶ状態をお口の中に作らないことが一番であることは言うまでもありません。
ただ歯磨きだけしていても、原因を知らずしては虫歯菌から大切な歯を守ることはできないのです。
 
まず、虫歯になるには、その方の歯の質も左右します。
今日は虫歯になりやすい「歯の質」についてお話いたします。
 
まず、歯の一番外側の部分がエナメル質で、唾液中のカルシウムやリンを吸収することによって硬くなります。
人の体の中で、このエナメル質が一番硬い組織なんですよ。
その性質上、外的な刺激から守るという大切な役目をも担っています。
 
生え始めたばかりの乳歯や永久歯はやわらかく、エナメル質が唾液中のカルシウム・リンなどの酸を吸収することで硬くなります。
そのため、生えたばかりの乳歯や永久歯は「 酸」に弱く、虫歯に鳴りやすいのです。
 
エナメル質の内側には象牙質があり、歯髄(歯の神経)を守る役割をしています。
歯の主たる成分である象牙質はエナメル質より柔らかいので、虫歯がこの象牙質にまで 達した時は、かなりのスピードで虫歯の進行
が進みやすくなります。
 
象牙質は、外界からの刺激により厚さや硬度を増していきますが、生え始めの乳歯や永久歯はまだ厚さも硬度も しっかりとしていない
ため(柔らかい)に虫歯が進行しやすく、あっと言う間に神経に達してしまうので大切な 歯の形成時期でもある乳幼児期は特に注意が必要です。
 
しかしながら、大人になっても毎日の飲食回数が多い、ダラダラと食べている、仕事などをしながらジュースや 飴、砂糖入りのガムを口にする
機会が多い方などは、常に虫歯菌に無条件でエサを与えているのと一緒です。
 
つまり、お口の中はいつも虫歯菌が出した酸により「酸性」状態。
 
いつもお口の中が酸性状態の方の歯のエナメル質からは、常にカルシウムやミネラルが失われてしまっているので、当然、歯がもろくなり虫歯
になりやすくなります。
歯の表面のツヤ感も失われ粗造になっていますので、ますますプラーク(歯垢)が着きやすくなり虫歯菌が住みやすい 環境を作ってしまうこと
になります。
 
乳幼児の場合は、毎食後の歯磨きとお母さんによる仕上げ磨きを徹底してあげてください。
酸に対する抵抗力が弱いこの時期は、歯の質を強化するために歯科医院でフッ素の塗布をおすすめします。
大切なお子さんが将来、虫歯で困らないためにもお口の中を常に清潔に保ってあげることはお母さんの役目でもあります。
 
虫歯になりやすい方は、お口の中が酸性状態である時間が長いということになります。
お口の中が「酸性」状態であり続けると、どんどん歯の質が弱くなり虫歯になりやすいということを覚えておいてくださいね。
 
どうしても歯磨きができない時は、せめてうがいだけでもしてお口の中を不潔な状態にしないことです。
 
あとは、100%キシリトールガムを噛むことも有効です。
キシリトールの効果については、また後日ご説明します。

                                                       院長 佐藤 聖子