前回は口を閉じている時の「舌の位置」のお話しでした。
今回は、「口を閉じている時の上下の歯」が、どうなっているかのお話しです。
 
ご自身のことを思い浮かべてみてください。
ひょっとすると、上下の歯が当たっていませんでしょうか?
 
前回に引き続きまたまた「はっ!!」 となさった方、意外と多いのではないでしょうか。
冒頭からヒヤリとすることばかりですが、とても大切な事ですから怖がらずに
続きをお読み下さいね。
 
口を閉じている時の上下の歯というのは、実は接触していない状態が正しいのです。
上下の歯の間に少し隙間ができているのがベスト。
 
無意識に上下の歯が接触している方・・・結構いらっしゃるのです。
 
これはどういう状況なのかと申しますと・・・
下顎の骨というのは、頭蓋骨と繋がっているわけでは無く、いくつかの筋肉によって
支えられぶら下がっています。
下顎を支えている筋肉が安静にしている状態では、上下の歯は接触せずに少しだけ
隙間があります。
 
食べ物を噛む時は当然ながら上下の歯は互いに接触するのはおわかりですね。
この時、下顎の骨を支えている筋肉は活発な動きを行っています。
口を閉じているのに、常に上下の歯が接触しているということは、この筋肉がずっと
活動しているというわけです。
 
二の腕に力を入れると、力こぶができますね。これは筋肉を動かしているからです。
この動作をずっと続けなさいと言われたら、疲れますよね。
 
もしも、今この記事をお読みいただいているあなたの上下の歯が、口を閉じている
時に接触し合っているとしたら・・・常に下顎の骨を支える筋肉を動かし続けている
状態になるのです。
今から「意識して」歯が当たる状態をつくらない様にしてみましょう。
日頃の心がけが大切です!!
 
また、自分でも気づかないうちにこの様な動作が続くと、体のあちらこちらに支障も
出てきます。
歯の治療にお見えになられる患者さんの中にも、様々なお悩みを抱えていらっしゃ
る方が多いのです。
 
「なんだか、肩こりがひどいのです・・・」
 
食べ物を噛む時は肩の辺りの筋肉も活動しますから、口を閉じている時にも下顎の
骨を支える筋肉が動き続けると、肩の筋肉もずっと動き続けてますから当然ながら、
「肩こり」になります。
 
「偏頭痛があるのです・・・」
 
頭蓋骨と下顎の骨を繋げている最も大きい筋肉は、耳の辺りから扇形に広がりついて
います。頭についている筋肉を常時動かしていることになると、頭がスッキリとせずに
頭痛に悩まされるのも頷けます。
 
ただし、偏頭痛や肩こりは他の要因も考えられます。
必ずしもこれらの症状があるからといって、今まで述べてきたことが原因というわけ
ではありません。
患者さんのお口の中を診させていただき、患者さんとのお話しの中でこれらのお悩み
をお持ちの方は、口を閉じている時の上下の歯が接触していることが意外と多い為に
一例として記事を書いておりますのでご理解の程お願いいたします。
 
口を閉じている時に上下の歯が当たっている方は、就寝中の歯ぎしりや食いしばりも
見受けられます。
当クリニックでは、歯ぎしりや食いしばりにも対応しておりますので、お気軽にご相
談下さい。
また、記事をお読みいただき「私はどうなのかしら?」「ちょっと気になるわ」など
お思いになられましたら、ご相談フォームもご利用下さいね。
 
歯医者さん事典はこれからも、いろいろな事に焦点を向けて発信して参りますので
宜しくお願い申し上げます。