〜歯髄について〜
 
前回の象牙質の記事内でも歯髄について少々触れていましたが、今回は
この歯髄について詳しくご説明していこうと思います。
 
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御馴染みのイラストです。イラスト内のCの赤い線で示した部分が「歯髄」です。
この歯髄の中には、神経や血管が通っています。
 
象牙質の記事内でお話しさせていただいた様に、象牙質に達するほどの虫歯
になってしまうと外部からの刺激によって痛みを感じますが、これは歯髄に神経
や血管があるからです。
 
歯髄は外部からの刺激に対するセンサーの役目をしています。
 
よく虫歯が深いために神経を取ったということがありますよね。
神経を取ってしまうと、確かに外部の刺激や痛みを感じなくなりますが、同時に
虫歯が進行し深くなっていたとしても何も感じなくなります。
 
センサーが知らせてくれないが為に、見えないところで何が起こっているのかが
わからないなんて怖いですね!!
 
また、歯髄にはもうひとつ凄い役割があります。
外部からの刺激によって歯の壁を厚くしてくれるという役割です。
文章だけではイメージできないと思いますので、イラストで説明します。
 
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上のイラストの様に歯髄に近いところまで虫歯が達していたとします。
※黒い部分が虫歯です。
 
すると、歯髄に外部からの刺激が伝わりやすくなります。
虫歯になって穴が空くと、食べ物がしみたり痛みを感じたことがありますよね?
その時の歯の状態というのが、イラストで示している状態です。
 
歯髄の凄いところは、外部からの刺激を防御しようとするところ!! 頑張ってます!!
どの様に頑張って防御するのかというと・・・
 
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一番最初のイラストとの違いがわかりますでしょうか?
 
虫歯の近くにあった、点線で示された歯髄が象牙質になっています。
 
虫歯ができて外部の刺激が歯髄に伝わるようになると、歯髄は象牙質を新たに
作りだし壁を厚くします。先程述べた防御する壁です。
 
この壁を作るのにはある程度の時間がかかります。
 
実際には、イラストで描き示した虫歯ができてから直ぐに壁を作り始めるのでは
無く、初期の小さな虫歯(歯がしみてきたり、痛みを感じてきた頃)から少しずつ
少しずつ壁を作り始めます。
 
歯髄は本当に大切なんですよ!!
 
歯医者さんへ行って、「虫歯が深くてギリギリだけど神経は残しておきますね」と
言われたことがある方いらっしゃいますよね?
 
痛みが出てしまい、神経の処置をしなければいけないこともありますが、残せる
可能性がある場合は、その可能性にかけてみたい!!という思いが歯医者さんには
あります。
 
このことについて熱く語られる先生はいらっしゃらないかもしれませんが、もし
過去に歯医者さんで似た様な経験をされたことがある方は、こういうことだった
のだと頭の片隅に置いてくださると幸いです。
 
「それでは神経を取ってしまった歯はどうなるの?」という疑問が出てくる思い
ます。そのことについてはあらためて詳しくご説明させていただきます。