歯医者さん事典vol.13をお読みくださった方から「歯の根の周りは骨なのですか?
歯茎だと思っていたのですが、そもそも歯茎とは肉なのでしょうか?」とういう
ご質問を頂戴しました。
 
この歯医者さん事典を開始して、記事をお読みになった方からいろいろなご質問や
お問い合わせをいただくことが増えてきました。まだまだ歯や口の中のことに関し
て、一般の方にとっては未知の部分が多いのを実感しております。
 
少しでも皆さんのお役に立てる様に、いろいろな角度から歯や口の中のことについ
て書き綴っていこうとモチベショーンもあがって参りました。
 
さて、本題に戻ります。
一般の方の多くは、歯というのは骨に生えているという概念が無いかと思います。
 
以前、お医者様と歯についてお話しをさせていただく機会があった時に「歯って
歯茎に生えているいるんじゃないの?」と驚かれたことがあります。
 
お医者様ですら、歯の生えている構造を詳しくご存じないのですから一般の方が
ご存知ないのも無理はありません。
 
今回は「歯の根の周り」についてイラストを用いながら詳しく説明していきたいと
思います。
 
201504251
 
前回までは、理解していただきたいところに的を絞りたかったので、簡略化した
イラストでご説明していましたが、実際は上のイラストの様になっています。
 
歯の根の周りの青い線の部分、これは歯根膜といってクッションの役割をしています。
 
青い線で書いた繊維が歯と歯の周りの骨をつないでおり、噛んだ時にこの繊維がクッ
ションとなりその力を受け止めて沈み込みます。
 
アサリなどの貝類を食べた時に、砂が入っていてジャリっと噛んだ経験はありませんか?
 
硬すぎるものを噛んでしまった時など、歯がジンジンと痛くなることがありますよね。
この時に感じる痛みというのは、歯の神経の痛みでは無く、「歯根膜(しこんまく)」
という箇所に強すぎる力がかかり過ぎたために起こる痛みです。
 
丁度、捻挫や打ちみの様になった状態と同様の痛みです。
 
 
口の中で硬すぎるものをちょっと噛んだだけで「硬い!!」と感じるのは、この歯根膜
にあるセンサーの役目のおかげなんです。
 
もしもセンサーがなかったら・・・硬すぎるものを噛むことで歯が割れてしまったり、
歯を支えている骨を破壊してしまうことになるかもしれません。
(※ただし、歯根膜があっても過剰に無理な力がかかると、歯が割れてしまうことがあります)
 
歯根膜というのは、クッションの役目と口の中に入ったものの硬さを知らせてくれるセンサー
の役目を同時に担っています。
 
「歯根膜 ありがとう!!」と思ってしまいますよね。
 
イラストの中で骨と示している部分、歯の根の周りにある骨、すなわち歯槽骨(しそうこつ)
といいます。この様に、歯の根の周りには骨があり歯肉ではないのです。
 
赤く示した歯肉のところが、みなさん御馴染みの「歯茎」。
 
「歯の根の周りは歯茎ではない」ということはご理解いただけましたでしょうか?
 
イラストで図解する方が、わかりやすくイメージもついたのではないかと思っております。
 
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