歯医者さん事典95〜お口の型を取られる時のコツ〜少しでも苦しくならないために〜上顎編〜
 
 
歯医者さん事典、お口の型取りシリーズ続きます。
 
今日はお口の型を取られる時のコツについてお話します。
お口の型取り、あまり好きな方はいらっしゃらないですよね。
 
大きな道具がお口の中に入って来て、さらにムニュっとした材料でお口の中がいっぱいになってしまう。
特に、上の歯の大きな型を取る時には、嘔吐反射が出てしまう方も多いです。
 
上の歯の大きな型を取る時には、少しアゴをひいた方が楽になります。
 
みなさん、がんばって協力しようとしてアゴを上に上げようとしてくださるのですが、アゴを上に上げてしまうと気道が開いてしまうために、
型を取る材料が誤ってそちらの気道に入りやすくなってしまうのです。
 
気道に入ると、むせて苦しくなってしまいます。
気道に入らないまでも、その奥のあたりが敏感な方は材料がちょっと触れただけで、吐き気をもよおしてしまいます。
 
アゴをひくと気道に物が入りにくくなりますので、アゴを上げている時よりもほんの少し楽になるかと思います。
 
嘔吐反射が出やすい患者さんの場合、上の大きな型を取る時には椅子に座った状態で、アゴを引きご自分の足下を見てもらうようにしています。
さらに、鼻でゆっくりと息をしていただき、唇や頬の力をぬいて、リラックスしてもらいます。
 
「型を取るのに協力しなきゃ!」と思うあまりに大きなお口をあけてしまうと、かえって唇や頬の筋肉が緊張してしまい、型を取るのが難しくなってしまいます。
 
唇や頬の力って、結構侮れないのです。
お口を閉じた状態で頬と奥歯の間に指を入れて、思いっきり口を開けてみてください。
 
大きく開けた途端に指が頬の筋肉と下アゴの骨の隙間がせまくなっているのがお分かりになると思います。
 
型を取る時に「力を抜いてください」と言われるのはそういうことなのです。
 
上アゴの型を取る時のコツ
①下アゴを引いて足下を見る。
②お鼻でゆっくり呼吸して、唇や頬の力を抜く
 
 
個人差はもちろんありますが、やってみたらきっと少なからず楽になると思います。
 
もし、上アゴの型を取られる機会があったら、試してみてくださいね。
下アゴの型を取る時のコツは、次回にお話ししますね。