歯医者さん事典vol.139〜口呼吸・・・こんなことにも影響します〜
 
 
先日、初めて当院を受診された患者さん。
 
まずはお口の中の状態をチェック。
奥歯や歯の裏側、歯と歯肉の境目にプラークがついていて、歯肉に炎症が起きていました。
 
 
そう、そこまでは良くあることなのですが・・・・
 
「あれ?っ」と思ったのは、奥歯についているプラークの方が多いのに、なぜか下の前歯の
歯肉が一番腫れていたこと。
それも、裏側(舌側)よりも外側(つまり唇側)の歯肉が腫れているのです。
 
 
もしかしたらと思って患者さんに聞いてみました。
 
私「〇○さん、普段お口で息をしていませんか?」
 
患者さん「はい。私、鼻が悪いので、口で息をしています。」
 
「やっぱり!!!!」
 
 
そうなんです。この下の前歯の歯肉の腫れは「口呼吸が原因」だったのです。
 
 
口で息をしていたために、いつも前歯の歯肉が乾燥してしまい、唾液の自浄作用や抗菌作用、
免疫作用が働かなくなってしまっていたのです。
 
そのため、磨き残しの多かった奥歯よりも下の前歯の歯肉に炎症が起きていたのです。
 
 
もちろん、磨き残しもありましたし、フロスを使っていなかったので、そもそも歯肉炎になる
状態ではありました。
 
 
付着しているプラークの量からしてみると、こんなに歯肉が腫れるようなレベルではなかった
ので、お口の中をチェックしながらも、何かおかしいなと感じたのです。
 
 
さっそく、患者さんには口呼吸や唾液の作用についてのお話をして、毎日の歯ブラシの当て方
はもちろんのこと、デンタルフロスの効果的な使い方についても説明しました。
 
 
そして、出来るだけお口を閉じてお鼻で息をすることを心がけるようにとお話しました。
 
 
このように、お口の中の歯周病や虫歯の原因は毎日のケアや食生活だけではなく、無意識のうち
にやっていることが原因であることが意外と多いのです。
 
 
追記)今日の文中に出て来た
「唾液の自浄作用・抗菌作用・免疫作用」
については、また後日詳しくお話ししますので、楽しみにしていてくださいね。