歯医者さん事典vol.143〜虫歯って・・・「痛みがない=治った」ではないのです〜
 
 
「前に歯が痛いことがあったのだけど、痛みが無くなったので放置していました。」
 
 
来院された患者さんから良く聞く言葉です。
確かに、歯以外でも痛みが無くなったら治ったのかな?と思ってしまいますよね。
 
 
でも、悲しいことに虫歯って、「痛みがない=治った」ではないのです。
 
 
歯医者さん事典でも何度も説明しているように、『虫歯は虫歯菌が歯を溶かして穴があく病気』です。
 
虫歯菌がエナメル質を溶かして、知覚のある象牙質を破壊し始めると、冷たい物がしみたり痛みが出て来ます。
 
 
この状態を放っておいて、痛みが無くなる時にお口の中で何が起きているかというと、大きく分けて2つのパターンがあります。
 
1つ目は、冷たい物などの刺激から歯髄を守ろうとして象牙質が壁を作ることによってしみなくなる場合。
 
2つ目は、象牙質が破壊されて虫歯菌がどんどん歯髄の方にまで侵入していって、ついに歯髄が死んでしまった場合です。
 
どちらにしても、痛みが無くなっても治ったわけではありません。
 
 
擦り傷や切り傷などは、何もしなくても時間が経てば痛みが無くなって、新しい皮膚が再生してきます。
でも、歯は新しく再生しないので、知らないうちに痛みが無くなっていたとしても、穴はあいたままですし、じわじわと虫歯は進行していきます。
 
 
痛みが治まって放っておいた歯が再び痛くなった時には、最初に痛みを感じていたときよりも確実に悪化しています。
 
 
その痛みも最初の時よりも辛いです。
 
とっても怖いですね!
 
 
歯医者さんに行くのは気が進まない方が多いとは思いますが、放っておくとさらに痛い思いをしなければならなくなってしまいます。
 
そうならないためにも!
 
前に痛くなっていた歯をそのままにしているなあ~と心当たりのある方は、一度歯医者さんでチェックしてもらってくださいね。