歯医者さん事典145〜歯の間に食べ物が挟まるのはなぜ?〜②歯ぐきが下がってしまった場合〜
 
 
歯の間に食べ物が挟まるのはなぜ?シリーズ、第2弾です☆
 
 
先日も「歯に食べ物が挟まるんです」とおっしゃって来院された患者さんがいらっしゃいました。
 
 
一番多いのは、昨日前回の歯医者さん事典vol.144でお話しした、『歯と歯の間に虫歯が出来てしまった場合』
なのですが、次に多いのが『歯肉(歯ぐき)が下がってしまった場合』です。
 
「えっ?歯肉が下がると食べ物が挟まるの?」
というか歯肉って下がるの??と驚かれた方もいらっしゃるでしょうね。
 
疑問に思うかもしれませんが、このような状態になっている方は意外と多いのです。
どのような状態かをイメージをイラストにしてみました。
 
 
201711111
 
イラスト内のAが健全な歯と歯肉の位置関係で、Bが歯肉が下がってしまった時の位置関係です。
 
Bの方は、歯肉が下がってしまったために、歯と根の境目のところに凹みができているのをおわかりいただけ
ますでしょうか?
 
 
食べ物を食べた時に、ほっぺた側に入った食べ物がAの健全な状態であれば、歯と歯肉の境目に停滞することはないのですが、Bのように歯と歯肉の境目に凹みが出来てしまうと、食べ物がその凹みに停滞してしまうのです。
 
今回来院された患者さんが食事をした時に「歯に食べ物が挟まるなあ」と感じているのは、まさに上のイラスト
に描かせていただいたこの状態なのです。
 
『この状態・・・』とっても悩ましい状態で、だからといってこの凹みのところに安易に白い詰め物を詰めるのは、私個人の考えとしてはあまりオススメできません。
 
 
その凹みは非常に浅いものですし、ただでさえ歯肉炎になりやすい歯と歯肉の境目に白い詰め物をしてしまうと、さらに不潔になりやすい環境になって、ますます歯肉の炎症を引き起こしてしまう可能性があるからです。
 
 
もちろん、この部分が虫歯になっていたり、食いしばりなどによって著しく凹んでいるような場合には白い詰め物をしますが、それでも、本来の形態を再現する形で行うことなので、詰め物をすることによって完全に改善するのは難しいかなと思います。
(*歯周外科によって歯肉を回復する方法もありますが、リスクも大きいため専門医の分野になります)
 
 
対処方法としては、これ以上歯肉が下がって行かないようにケアをしていくこと。
(例えば、食いしばりが原因の場合にはマウスピースのような物を使用します)
 
 
そしてご面倒かもしれませんが、お食事が終わったら小まめに清掃することが何よりも大切なのです。
 
 
実は・・・私も食いしばりによって歯肉が下がっているところがあるので、その不快感はよく分かります。
あまり気分の良い物ではありませんよね。
 
 
食後にはお出かけ先であっても、軽く歯磨きやうがいをします。
 
時間がない時にはフロスだけでも気になるところに使っています。
フロスはこんな時にも大活躍!手放せません(笑)
 
 
考えようによっては、普通の人よりも気をつけるのでエチケットとしてはプラスなのかもしれませんね。
 
 
これ以上歯肉が下がる事が進まないように、夜寝ている間にはマウスピースのような物を使用しています。
私自身、同じような患者さんの不快感や煩わしさは本当によく分かりますし、患者さんへ私の事をお伝え
すると少し安心してくださってるみたいです。
 
話がそれてしまいましたが・・・・
 
 
歯に食べ物が挟まる原因って虫歯以外にもあるということ、ご理解いただけましたか?
 
何が原因かは歯医者さんに行ってみないと分からないことですので、自己判断はしないようにしましょうね。
 
 
やはり、痛みなどが無くても歯医者さんで定期的にお口の中のチェックはしていただきたいなと思います。