歯医者さん事典vol.150〜歯の根の痛み・・・膿を吸い出すと楽になります〜
先日来院された患者さん、歯の根の先に大きな膿の袋が出来ていました。
歯の根の治療を始めたら、予想通り痛みが出て来てしまいました。
仮の蓋を外してみたら・・・歯の根の中から膿が溢れ出て来てビックリです。
こういう時は、歯の根の先の膿を出してあげると痛みは楽になりますので、歯の根の中に細い管を
入れて膿を吸い出していきます。
歯を削る時に水を吸われた経験はありませんか???
あの器具にに本当に極細の管をつけて、歯の根の先の膿を掃除機みたいに吸い出していくのです。
今回もかなりの量の膿が溜まっていたみたいで、やや暫く吸い続けていました。
こんなに小さな歯と顎の骨の中に、これだけ吸い出せるほどの量の膿が溜まっていたなんて!
と思うほど、大量でした。
これは、痛いはずです。
以前にもお話したと思いますが、皮膚にできた水ぶくれは風船のように膨らむことができますが、
歯の根の周りの骨に溜まった膿は、周りが硬い骨に覆われているので外側に広がることができずに、
中の圧力が高まってしまってパンパンになってしまいます。
イメージをイラストにしてみました。
※参考記事:
歯医者さん事典vol.13~神経を抜いた歯が痛い時~歯の根の先に膿の袋が出来た時
これが痛みの原因なので、膿を吸い出したらかなり楽になります。
今回の患者さんも次に来た時には、「嘘みたいに痛みがなくなりました!」とおっしゃっていました。
歯の根の中もすっかり綺麗になって、出血も無くなっていて、安心しました。
というのも、レントゲンで見る限りでは、歯の根の周囲の骨がかなりダメージを受けているように
見えたので、もしかしたら抜歯になるかも?と思って患者さんにもそのようにお話していたからです。
でも、今日の状態なら大丈夫!
なんとか抜歯せずに保存することができそうです。
あともう少し・・・慎重に予後を診ていこうと思っています☆