歯医者さん事典vol.177〜奥歯の入れ歯を使うこと・・・ホントに大事です〜
 
 
このごろ、奥歯の入れ歯を使わなかったことで、残っている歯にしわ寄せがきてしまった患者さんが多いです。
奥歯の入れ歯って確かに使いにくくて、歯がある程度残っていると、入れ歯を使わなくても日常生活に支障がなかったりします。
 
 
もちろん奥歯が噛めない状態なので、噛みにくいことには違いないのですが、入れ歯を使う煩わしさを考えると使わないで過ごした方が楽なので、「入れ歯を使わなきゃ!」と思いながらもついつい使わずに過ごしてしまいます。
 
 
ドキっ!とした方、意外と多いのではないかと思います。
 
 
奥歯の入れ歯を使わずに過ごしていると、本来奥歯で受け止めるはずの噛む力を残っている歯で受け止めることになります。
 
 
そうなると、残っている歯にはかなり負担がかかってしまいます。
そしてある日突然、残っている歯に違和感を感じたり、被せ物が外れて来たりしてしまいます。
 
 
怖いですね!
 
 
最近、いらっしゃっている患者さん達もそんな感じで、奥歯の入れ歯を使っていなかったために、ブリッジの支えになっている歯に負担がかかって、歯の根が割れてしまったり、ブリッジが外れかけてしまったりして、クリニックに駆け込んで来ています。
 
 
普段の生活では、そんなに負担がかかっているようには感じないとは思うのですが・・・
毎日の積み重ねの結果、わずかな力が歯を痛めてしまうのです。
 
 
本当に、力のコントロールって大事だなって実感します。
 
 
患者さんにこのことについて説明したところ、納得したと同時にとても後悔されていました。
 
 
「入れ歯を入れた時にそのお話を聞いていたのに、ついつい使わずに過ごしていました。」
 
そうなんです。
 
入れ歯が出来上がった時に説明していたので、おそらく頭の片隅にはあったと思うのですが、ついつい使わなくなってしまったようなのです。
 
 
「歯があることが当たり前になっていて、こんなことになるとは思っても見なかったです。ちゃんと使っておけば良かった。」
患者さんはこのように、とっても後悔していました。
 
 
後悔先に立たず・・ですね。
 
 
この患者さんは、それでもとっても前向きな方で頑張って通うとおっしゃっていました。
今度はきっと、入れ歯を使ってくれることでしょう。
 
 
私も全力でサポートしたいと思っています。
 
 
皆さんの中で、入れ歯があるけど煩わしくて使用していない・・・という方は、残っているご自分の歯を守るためにも、少しずつで良いので使うようにしてくださいね。