医者さん事典vol.187〜歯がグラグラするのは歯周病だけじゃないのです〜
 
 
歯がグラグラしてくる原因として、一般の方々が真っ先に思いつくのはきっと歯周病だと思います。
 
その次は外傷かな?
 
 
ところが、歯周病や外傷じゃなくても歯がグラグラしてくることがあります。
 
 
それは・・・歯の根の先に膿の袋が出来て来た時です。
 
 
「膿の袋!!??」いきなりこれだけを聞くとビックリしてしまいますよね。
 
 
歯の根の先ではありますが、その周囲の骨が破壊されて膿が溜まって炎症が広がって来ると、
その根の周囲の骨がダメージを受けるので、歯がグラグラと揺れて来ます。
 
 
その揺れ方は歯の根の先の膿の量に比例していて、揺れが大きければ大きいほど、歯の根の先
からの膿も大量に出て来ます。
 
 
ピーク時には、「この歯、大丈夫なのでしょうか?」と患者さんが不安にかられるほどグラグラ
と揺れていて・・この歯の根の状態を正確に知らなかったら、私も抜歯かな?と思ってもおかし
くないと思います。
 
 
しかし!!歯の根の治療をして、根の先の膿が少なくなって、炎症が落ち着いて来ると・・・
 
 
動きが止まってくるのです。
 
 
これ、まぎれもない事実なのです。
 
 
根の先の膿の量に比例して、歯の動きも落ち着いて来ます。
 
 
人間の身体の治癒力ってすごいなあって改めて思います。
 
 
今、通っている患者さんの中にも奥歯がグラグラしていた方がいらっしゃいます。
 
 
治療を始めた頃は、本当にグラグラしていて患者さんは諦めているような雰囲気でした。
 
 
けれど、歯の根の治療をして炎症が治まって来るにつれて、歯の動きも止まって来て・・・
 
 
先日、ついに最終的なお薬を詰めて、被せ物を作る準備をすることができました!
 
 
反対側の歯も同じような状況でかなり厳しいのですが、患者さんの治癒力を信じて、
何とか保存していきたいなあって思います。
 
 
皆さんの中にもグラグラしている歯が気になっているのなら、ぜひ一度歯医者さんで
チェックしてもらってくださいね。
 
 
もしかしたら・・・原因は歯周病じゃないかもしれませんよ~。