歯医者さん事典vol.191〜治療の順番は虫歯と歯周病、どっちが先?〜
 
 
またまた患者さんの言葉から気づきがありました。
 
 
当院では、基本的には虫歯の治療の前に歯周病のケア(つまりクリーニング)を
行うようにしています。
 
 
もちろん、痛い虫歯がある時にはそちらを優先しますし、アポイントの関係でやむを
得ず虫歯の治療を先にすることもありますが、原則としてはクリーニングを先に行う
ようにしています。
 
 
私自身、それが当たり前だと思い込んでいたのですが、一般の方々にしてみるとそう
ではないらしく・・・
 
 
先日、来院された患者さんから
「歯のクリーニングが先なのですね。てっきり虫歯の治療が先だと思っていました!」
 
 
という言葉を聞いて、虫歯の治療を先にすると思っている患者さんもいるんだなという
ことに気づきました。
 
 
というより、もしかしたら多くの方々が虫歯の治療を優先して考えているのかもしれませんね。
 
 
「歯が痛い=虫歯」というイメージがありますし、歯周病って風邪と同じくらいどんな
方にもある疾病なのですが、どこか他人事と思っている方が多いように感じます。
 
 
実は、少しでもプラークがついていると、歯肉からの出血は起こります。
 
 
そのため、初診でいらっしゃった患者さんは大抵の方が、少なくとも歯肉炎の状態で
あることが多いです。
 
 
歯肉から出血していると・・・虫歯の治療をした時に支障がでます。
 
 
例えば、虫歯が歯肉の近くまで進んでいた時に、虫歯を取り除いて詰め物をしようと
したとします。
 
 
虫歯の穴のすぐ近くにある歯肉から出血していたら、詰め物をしようとしている穴に
血液が入り込んでしまって、詰め物をすることが出来なくなってしまいます。
 
 
歯肉が腫れている時に被せ物を作ると、その後に歯肉の状態が改善して歯肉が引き締
まった時に、被せ物の境目と歯肉との境目に隙間ができてしまって、かっこ悪くなっ
たりもします。
 
 
歯周病の治療(簡単に言うとクリーニング)はお家作りに例えると、土台をしっかり
とさせるということですので、何より大切なことなのです。
 
 
そのことを私も患者さんに説明しているつもりなのですが、まだまだ伝え切れていな
かったみたいで、反省です。
 
 
もっと患者さんの心に響くように、しっかりと説明していきたいと思います。
 
 
それと、私がぜひ患者さんに実感していただきたいのは、クリーニングした後のお口の
中の爽快感です。
歯がツルツルしてとってもサッパリすると思うのです。
 
 
この綺麗になった感覚を味わっていただくことで、この状態をキープしたいなあって思っ
ていただきたいと思っています。
 
 
まだこのツルツル感を体験していない方は・・ぜひお近くの歯医者さんでお口のケアを
してもらってみてくださいね。
 
 
ちなみに、先ほど軽くお話しした、虫歯の詰め物をする時に支障がでることや、被せ物
をした後に歯肉が下がってかっこ悪くなることについては・・・またこの歯医者さん事典
で絵を描きながら説明する予定です。