歯医者さん事典vol.195〜歯磨きした時の出血に要注意!〜
 
 
「歯磨きした時に歯肉から出血してきて、怖くなってしまったんです。」
 
来院された患者さんから良く聞く言葉です。
 
歯磨きした時の歯肉からの出血は、歯肉からの赤信号なんです。
 
 
この歯医者さん事典で何度もお話しているように、歯肉に炎症があるから歯ブラシを当てた
だけで出血してきてしまうのです。
 
 
歯ブラシを当てた時に出血する時の歯肉って、例えて言うならば熟れた桃みたいな感じ。
 
 
ちょっと触っただけで傷ついてしまいます。
 
歯肉がこの状態になっている時の歯と歯肉はどうなっているのか?
 
 
イラストにして説明してみますね。
 

 
イラストで描きしめしたように、まず歯肉が腫れています。
 
 
さらに、歯と歯肉の境目にはプラークと歯石がついていて、歯の根の表面にまで歯石が
こびりついています。
 
歯の根についた歯石、つまり縁下歯石です。
 
 
この縁下歯石はザラザラしているので、さらにその周囲にプラーク(細菌)がついて、
その周りの歯肉に炎症を起こします。
 
 
この状態の時に出血して怖くて歯ブラシをしなくなってしまうと・・・・
歯と歯肉の境目の深いところだけでなく、出血していない時には清掃できるような表面
のところにもプラークが付着して、さらに歯肉の炎症が悪化していまいます。
 
 
歯ブラシした時に歯肉から出血する
   ↓
怖くて歯磨き出来なくなる
   ↓
歯肉の炎症がますます悪化して、さらに出血しやすくなる
   ↓
歯と歯肉の境目の奥の歯石やプラークがさらに増えて、歯肉の炎症がさらに悪化する
   ↓
歯ブラシした時に歯肉から出血する
   ↓
怖くて歯磨きできなくなる
   ↓
・・・・ とまさに悪循環です。
 
 
放置してしまうと、さらに歯肉炎が悪化して歯周病が進んでしまいます。(いわゆる
歯槽膿漏になってしまいます。)
 
 
怖いですね!
 
 
でも、この悪循環に入ってしまったとしても、どこかで手を打てば歯肉は改善していきます!
 
 
歯医者さんで歯石をしっかりと取り除いて、ご自宅でもしっかりと歯ブラシとデンタルフロス
で清掃して歯肉のケアをしていくことです。
 
 
歯肉の炎症が大きい場合には、一度だけでは改善しないかもしれません。
 
 
けれど、何回かに分けてしっかりとケアしていくことで、結果は必ず出て来ます。
そしてその結果を出すためには、患者さん一人一人のご自宅でのケアが何よりも大きなウェイト
を占めています。
 
 
いえ、その歯肉が改善するかしないかは患者さんご自身のご自宅でのケアにかかっていると
言っても過言ではありません。
 
 
どうかそのことを、頭の片隅に置いておいてくださいね。
 
 
そして、ぜひ毎日のお口のケアと定期的なクリーニングをしっかりと行って、健康な歯肉を
手に入れて欲しいなって思います。